目次

  1. 土地活用ランキングTOP5(編集部調べ)
    1. 5位 トランクルーム経営
    2. 3位 事業用定期借地
    3. 3位 駐車場経営
    4. 2位 賃貸併用住宅
    5. 1位 アパート経営
    6. 5つの方法の主なメリット・デメリットまとめ
  2. そのほかの知っておきたい土地活用
  3. 自分に合った土地活用の方法を見つけるポイントとは?
  4. 用途地域がわからない場合は、土地活用を考える前に確認を

本コラムでは編集部の独自の採点により、土地活用の方法をランキング形式でまとめた。ランキング外も含め、合計8つの土地活用法のメリット・デメリットを紹介する。

土地活用ランキングTOP5(編集部調べ)

土地活用の方法をランキングTOP5にまとめているが、上位の選択肢が必ずしもすべての人にとって優位とは限らない。なぜなら、土地活用は所有地の性格やオーナーの目的などによって「何が最善か」が変わってくるからだ。あくまでも以下の4項目で採点した場合の一つの考え方ということを前提に、ランキングを見ていただきたい。

下記表の基準
1 始めやすさ:初期投資額が多ければ×、少なければ○
2 収益性/節税効果:収益性が高ければ○、相続税の節税効果があれば○
3 管理の手間:(清掃など)管理の手間がかかれば×、手間がかからなければ○
4 顧客の決まりやすさ:新規契約がとりにくければ×、とりやすければ○

【編集部が4項目で採点した結果】

1 始めやすさ2 収益性
節税効果
3 管理の手間4顧客の
決まりやすさ
総合得点
トランクルーム経営××4点
事業用定期借地×7点
駐車場経営×7点
賃貸併用住宅8点
アパート経営×9点

総合得点:○=3点、△=1点、×=0点で採点
トランクルーム経営、駐車場経営、賃貸併用住宅はオーナーが管理した場合
アパート経営は管理を委託した場合

5位 トランクルーム経営

  • トランクルーム経営による土地活用とは?
    トランクルーム経営による土地活用とは、所有地にコンテナハウスを設置し、収納スペースとして貸し出すことで利用料を得るものだ。

トランクルームのメリット
トランクルーム経営のメリットは、コンテナハウスであるため、「初期投資額がアパート経営などと比べて抑えられる」ことだ。また「最寄り駅からの距離がある」「変形地や狭小地である」など、商売や賃貸住宅に向かない土地でも経営が可能だ。

  • トランクルームのデメリット
    トランクルーム経営は、立地が悪いところで行われることも多い。そのため顧客が決まるまでに「宣伝コストがかかる」「認知に時間がかかる」というデメリットがある。アパート経営などで使える「相続税軽減の恩恵がない」という点もデメリットだ。

3位 事業用定期借地

  • 事業用定期借地とは?
    定期借地権とは、地代を払い契約期間が満了したら土地を返却する契約方法だ。なかでも事業用定期借地権とは、事務所・工場・ホテルなど事業用の建物を所有することを目的とした定期借地権のことだ。

  • 事業用定期借地のメリット
    事業用定期借地のメリットとしては、目的が事業用のため「比較的高めの地代が得られる」ことが挙げられる。また「土地オーナーの初期投資の負担がない」「借主の撤退リスクが低いため長期的に安定収益を得やすい」などもメリットだ。

  • 事業用定期借地のデメリット
    事業用定期借地のデメリットとしては、借主の事業が破綻した場合、「土地に建物が残りやすい」、アパート経営に比べて「収益性が低い」などが挙げられる。ただし駅前の一等地など条件によっては、アパート経営よりも有利なこともある。

3位 駐車場経営

  • 駐車場経営とは?
    駐車場経営による土地活用とは、所有地を月極駐車場やコインパーキングとして貸し出して収益を得るものだ。

  • 駐車場経営のメリット
    駐車場経営のメリットは、アパート経営などと比べると建物が不要な分、「初期費用を抑えられる」ことだ。また極端に狭い「狭小地でも経営しやすい」「経営の手間がかからない」などのメリットもある。

  • 駐車場経営のデメリット
    アパート経営などと比べた場合の駐車場経営のデメリットとしては、「住宅用地としての軽減措置を受けられないため、(土地の)固定資産税や都市計画税の負担が多くなりやすい」「収益性が低い傾向がある」「参入障壁が低い分、競合が多くなりやすい」などが挙げられる。

2位 賃貸併用住宅

  • 賃貸併用住宅とは?
    賃貸併用住宅とは、自宅とアパートを併用した建物で収益を得る方法のことだ。例えば以下のような設計方法や使い方がある。
  • 1階を自宅にして2階をアパートにする
  • アパート部分と自宅部分を縦に区切る
  • アパートの1室や一角を自宅にする など

  • 賃貸併用住宅のメリット
    自宅部分が50%以上の賃貸併用住宅の場合、賃貸部分に対しての借入も住宅ローンを利用できるケースが多いため、「投資用と比較して金利を抑えられる」というメリットがある。ただし住宅ローンを利用できる自宅部分の割合については、金融機関によって条件が異なるため事前に金融機関へ相談することが必須だ。また「家賃収入で自宅のローンを支払える」「相続税評価額を抑えやすい」などのメリットもある。

例えば相続税評価額では、自宅部分よりもアパート部分のほうが建物・土地ともに評価額が低くなる。

  • 賃貸併用住宅のデメリット
    賃貸併用住宅のデメリットとしては、アパートと自宅を組み合わせた建物のため、「設計の自由度が少なくなる」「使い方が限定されるため、将来の売却がしにくい」などが挙げられる。賃貸併用住宅は、将来の売却や相続を考えたうえで選択するのがよいだろう。

1位 アパート経営

  • アパート経営とは?
    アパート経営による土地活用とは、所有地にアパートを建てて家賃収入を得ていくものだ。以下のような方式がある。
  • 一括借り上げ:アパートを業者に借り上げてもらって家賃をもらう
  • 管理委託:管理会社に物件管理を委託する
  • 自主管理:オーナーが物件管理を行う

一例としては、管理の手間をかけずに高い収益性を確保したいケースであれば「管理委託」を選択するのがよいだろう。なぜなら一括借り上げを選ぶと賃料の10~20%程度の手数料が発生するからだ。

  • アパート経営のメリット
    アパート経営のメリットとしては「安定的な収益を確保しやすい」ことが挙げられる。アパートのような住居系の物件は、事業用の物件に比べて賃料が景気に左右されないのが特徴だ。またアパートは、複数の部屋を所有しているため、仮に一部が空室になってもその影響は限定的だ。さらにアパート経営のメリットとして見逃せないのが「相続税対策がしやすい」という点だ。

ここでは詳細は省くが、アパート経営で相続税対策ができる理由として土地が「貸家建付地」や「小規模宅地等の特例」の対象になることが挙げられる。

  • アパート経営のデメリット
    アパート経営のデメリットは、まとまった初期費用(例:建物の建築費や諸費用など)が必要になることだ。ただし低金利かつ計画的に不動産投資ローンを組めば、手元のお金をなるべく使わずに安定的なアパート経営をすることができる。

5つの方法の主なメリット・デメリットまとめ

方法メリットデメリット
1位 アパート経営・安定的な収益を確保しやすい
・相続税対策がしやすい
・まとまった初期費用がかかる
2位 賃貸併用住宅・ケースバイケースだが住宅ローンの利用で金利を抑えられる場合がある
・相続税評価額を抑えやすい
・使い方が限定されるため、将来の売却がしにくい
3位 駐車場経営・初期費用を抑えられる
・狭小地でも経営しやすい
・経営の手間がかからない
・(土地の)固定資産税や都市計画税の負担が多くなりやすい
・収益性が低い傾向がある
3位 事業用定期借地・比較的高めの地代が得られる
・借主の撤退リスクが低いため長期的に安定収益を得やすい
・土地に建物が残りやすい
・アパート経営に比べて収益性が低い
5位 トランクルーム経営・初期投資額がアパート経営などと比べて抑えられる
・変形地や狭小地でも可能
・宣伝コストがかかる
・認知に時間がかかる
・相続税軽減の恩恵がない

そのほかの知っておきたい土地活用

土地活用ランキングTOP5にランクインしなかった土地活用法以外の選択肢もある。そのうち代表的なものは、次の通りだ。

  • 老人ホーム経営のメリット・デメリット
    老人ホーム経営で土地活用をするメリットとしては「社会貢献ができる」「高齢化社会のため需要が見込みやすい」などがある。一方、デメリットは「広めの土地でないと難しい」「周辺環境の条件が厳しい」などが挙げられる。

  • 郊外型店舗のメリット・デメリット
    郊外型(ロードサイド)店舗で土地活用をするメリットとしては、「駅から遠い土地でも活用できる」「(集客に成功すれば)収益性が高い」などがある。一方、デメリットは「初期投資額が大きい」「事業が不振の場合は、撤退リスクがある」などが挙げられる。

  • 太陽光発電投資のメリット・デメリット
    太陽光発電投資で土地活用をするメリットとしては「FIT(固定価格買取制度)があるため安定収益を得られること」がある。一方、デメリットは「FIT終了後の収益が予想しづらいこと」が挙げられる。

自分に合った土地活用の方法を見つけるポイントとは?

  • 土地の性格に合った土地活用法を選ぶ
    土地には、駅近、狭小地、変形地などそれぞれの性格があるため、性格に合った土地活用法を選ぶことが重要だ。例えば、「駅から遠い狭小地なのでトランクルームを選ぶ」といった具合である。

  • 目的に合った土地活用法を選ぶ
    オーナーが何を目的に土地活用をしたいのかも重要だ。目的の一例では「相続税対策をしたい」「手間をかけずにお小遣いを得たい」「老後資金をつくりたい」などが挙げられる。仮に相続税対策をしたいならアパート経営を選択するといった考え方ができる。

  • 収益性を大事にする
    節税重視の土地活用でも収益性は大事にしたい。節税できるからといって多額の赤字を垂れ流し続ければ、それを補てんするために金融資産自体が減ってしまう。

  • 複数の業者やプランを比較する
    土地活用法をどれにするか決めたあとは、複数の業者を比較してパートナーを選ぶことが大切だ。さらに業者を決めたあとでも、複数のプランを提案してもらい、そのなかからベストなプランを選びたい。

用途地域がわからない場合は、土地活用を考える前に確認を

本コラムでは、便宜上、土地活用法をランキング形式でまとめた。しかし実際のプランニングで大事なことは、対象の土地の性格とオーナーの目的を明確にしたうえで、適切な土地活用法を選ぶことだ。あわせて用途地域によっては、土地活用法が限定されることもある(例:工業専用地域にアパートは建てられないなど)。

<用途地域>

対象の土地の用途地域がわからない場合は、土地活用を考える前に確認しよう。なお用途地域は、ネット検索や役所の担当課などで調べられる。

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本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。
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情報提供元: manabu不動産投資
記事名:「 土地活用ランキングTOP5【2023年】知っておきたい活用法8選