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「無知の知」というソクラテスの言葉がありますが、実際には、自分が無知であることを知ることはとても難しいようです。人は、「自己奉仕バイアス」により、実際以上に自分は物事を知っていると思ったり、自分の推論が実際以上にいいと信じ込んだりしてしまいます。これは誰にでも起こりうることです。例えば、2015年に行われた研究では、研究者が被験者に生物学、哲学、そして文学の分野での自分の知識を評価するようにお願いしました。例えば生物学の分野では「哺乳類」とか「副腎」といった用語が出て来ましたが、そのなかには人々が知るはずのない、研究者が作り出した言葉がこっそり含まれていました。すると、被験者の124人中110人が、自分はそれについて知っている、またはそれについて詳しいと言ったのです。これは「オーバークレーミング」と呼ばれる現象で、つまりほとんどの人が知ったかぶりをしてしまったことを意味します。今回のYouTube科学系チャンネル「SciShow」では、知ったかぶりの心理学について解説します。