世界中に「民主」を輸出しては戦争を仕掛けるNED(全米民主主義基金)は現在、アメリカの民主党を中心に全世界で暗躍しているが、ドナルド・トランプ前大統領はNEDが嫌いで、実は習近平国家主席やプーチン大統領が好きなようだ。トランプ政権時代だった2018年、アメリカの雑誌The New PublicがCNNの録音を基に報道している。
本稿ではThe New Public情報を、いくつかのパーツに分けてご紹介し、最後に中露が団結する原因の一つに関しても触れる。
◆The New Public-1:トランプは習近平やプーチンを尊敬している 1914年に創刊されたアメリカの権威ある雑誌The New Publicは2018年3月6日に<Trump’s Disdain for Democracy Promotion (トランプは民主主義推進を軽蔑している)>(※2)というタイトルで、トランプが習近平やプーチンを尊敬し、NEDを嫌っているという趣旨の内容の報道をしている。トランプの発言は、CNNの録音に基づいているらしい。作者はカナダ人の作家でありジャーナリストで、The New Publicのスタッフ・ライターでもあるJeet Heer(ジート・ヒヤー)だ。
◆The New Public-3:トランプは「他国の内政干渉」より「自国の強化」を重視 ●20世紀のほとんどの間、民主党は「平和な世界を確保する最善の方法は、他の国々に民主主義の価値観と制度を採用するように奨励することである」と考えていた。共和党は「アメリカは自国の民主主義の守護者であり、他国の内政には責任がない」という、よりシニカルで孤立主義的な見方に傾いていた。
◆The New PublicはNEDが戦争の武器になっていることに触れていない The New Publicが、「トランプがNEDを嫌っていること」と「本当は習近平やプーチンが好きなこと」に関して報道しているのは実にすばらしく、また「アラブの春」に象徴される「他国の民主化への働き」を論じているのは高く評価する。