アメリカのメディアでは、たとえば2月14日にPOLITICOが発表した<Objects shot down aren’t from China, likely ‘benign,’ Kirby says(撃墜された物体は中国からのものではなく、おそらく「有益なもの」だとカービーが言った)>(※2)などを挙げることができる。
そこにはIntelligence officials believe the objects could be “tied to some commercial or benign purpose.”(諜報当局は、物体は「商業目的または有益な目的と関係している」可能性があると考えている)というサブタイトルさえある。
一方、ニューヨーク・タイムズ(※3)ではmight be that they were operated by private companies or research institutes(もしかしたらそれらの物体は個人的な商業用か研究用に用いられたのかもしれない)と、「research institutes」という言葉をストレートに用いているので、日本のメディアでは一斉に「商業目的か研究用の気球」という表現で報道されるようになったのだろう。たとえば日テレNEWS の<商業目的や研究用の気球だった可能性も…米軍が10日以降に撃墜した3つの飛行物体>(※4)などを挙げることができる。
問題は、なぜカービーは突然「トーンダウン」してしまったのか、である。
◆11日に、米気象台のスタッフが「あれは米気象台の気球の可能性」とツイート 実はカービーが記者発表する3日前の2月11日、ハンドルネーム「altNOAA」という人物が、以下のようなツイート(※5)をしているのを発見した。NOAAというのはNational Oceanic and Atmospheric Administration(アメリカ海洋大気庁)の頭文字を取ったもので、この機関はアメリカ合衆国・商務省の機関の一つである。つまりアメリカ政府の機関であるといことだ。