半年ほど前、兄の子どもが生まれた。予定日通りに無事生まれたと聞いたとき、私は台湾に出張中だった。感動の瞬間に立ち会えなかったからか、家族みんな浮足立っている中、私だけその波に乗れなかった。実感わかない。おばさんになるという実感が。

半年たった今、甥が超かわいい。かわいいかわいいかわいい。よだれを垂らすそのお姿、超愛らしい。生まれた子供は男の子でした。甥です。私おばさんです。甥のことを表現しようとすると語彙力がなくなる不思議。まぁとにかくかわいい。
この間、初めて離乳食を食べるっていうビッグなイベントに参加させていただいたときは、よだれと一緒に全てを吐き出すそのお姿に感動した。食べても食べなくても正直言ってどちらでもいい。日々成長しているその姿、日々育児を頑張っている兄夫婦、そしてその姿を見て泣いている祖母、の姿を見ている私はなんだかジーンっとしてしまった。

と、私はそうやっていいとこ取りしてかわいいお姿ばかりを見ているが、普段育児をしている兄夫婦は偉大だ。思い通りにいかないことも多いだろう。心配になることもあるだろう。毎日をそうやって過ごしながらも、すくすくと成長している甥の姿を見ると、兄夫婦を尊敬する。

甥がもう少し大きくなったら兄夫婦にプレゼントしたい本がいくつかある。今回はそのうちの一冊を紹介したい。

『親子で育てる折れない心 レジリエンスを鍛える20のレッスン』は、“レジリエンス”という言葉を広めたひとりである久世浩司さんが著者の本だ。“レジリエンス”とは、“逆境力”のこと。これを親子で鍛えて、「折れない心」を育み、困難にもへこたれない心を養うというのが目的だ。

子育てをしていると、様々な「つまずき」がある。習い事が続かない、すぐ諦める、など「他の子はああなのに…このままで大丈夫なのだろうか」 と思ったことがある人も多いだろう。そういったことに不安になった時、この本を手にとってみてほしい。この本では、レジリエンスについての説明と、親子で一緒に取り組める20のワークシートが付いていて自然とレジリエンスが鍛えられるようになっている。ひとつのワークシートは3分間で取り組めるため、飽きっぽい子供でも大丈夫。そしてこの本のポイントは、「親もレジリエンスを鍛えられる」ということだ。いくつか掲載されているパパママ向けワークシートでは、「悲観性を根づかせる叱り方をしていないかチェック!」というものもあり、どんな言葉で子供を叱ったのか、自分の思い込みで叱っていないか、など例をあげてわかりやすく解説している。

子供が不安になっているとき、支える親も不安になっていたら何も進まない。子供がもっと成長すると、人間関係、受験、就職など、立ち向かっていかなければならない困難はたくさんある。幼いころにレジリエンスを鍛え、不安を一緒に乗り越えられたら、子供もひとりで乗り越えられる力を身に着けられるだろう。

甥は将来どんな子になるだろうか。スポーツをしているだろうか?音楽もしているかもしれない。楽しみだ。これから成長して、両親に言えない悩みがあったら、私が全力で聞いてあげたい。

なんて偉そうに言っているが、マイナス思考が止まらない心が弱すぎ人間な私。
私も立派なおばさんになるために、まずはレジリエンスを鍛えて心の強い大人を目指そうと思う。

(実業之日本社 編集本部 鎌倉 楓)

『親子で育てる折れない心 レジリエンスを鍛える20のレッスン』 久世浩司 著 1300円+税 実業之日本社




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情報提供元: FISCO
記事名:「 心の強い子供を育てようとする心の弱い大人たちへ【Book】