日本における朝食の2大勢力といえば、ごはん派とパン派だろう。

ごはん派の基本形は、もちろんツヤツヤの白いお米に、焼き魚(どうでもいいが、筆者の理想は鮭である)、そしてお味噌汁に・・・あとはお漬物などの副菜でもう充分である。

対して、パン派といえばカリッカリに焼いたベーコンに目玉焼きふたつ(またどうでもいいが、ふたつなのは筆者の最近のブームだ)にあったかいスープ、あとは食パンをトーストしたものの上にバターを溶かせばもう・・・じゅるり、お腹が空いてきた!

どちらも非常に魅力的であるが、理想的なのは組み合わせを日ごとに変えつつバランスよく摂る——という答えであろうが、そんなホテルの朝食サービスみたいな生活・・・はっきり言って、ム リ!
特に筆者のような1人暮らしであれば特に。(同志たちよ、分かってくれるよね・・?)
こういう時に、世のお母さんたちがどれだけ大変な思いをして戦場(※朝のキッチン)で戦っているかがわかったりする。
朝から上記のような理想形の朝食が出るのは、とても恵まれていると思う。
特に前者のごはん派のご家庭のあなたは、感謝をかみしめて食べてね、ほんと。

というように、忙しい朝からお米を食べるのは大変ハードルが高い・・・
ので、パンはかなり重宝する。
片手で短時間のうちに食べれるし、大概のものは1つ食べればお腹を膨らませられる。
また、種類も豊富で毎日食べても飽きないので、私たち人類の力強い味方だ。

筆者の実家も、昔からほぼ毎日パンにお世話になったし(というかそもそも朝食を作るという行為がなかった・・・笑)、その習慣が抜けず1人になった今でもパンを食べている。もちろん、今日もパンをかじってきた。


そんな私たちの身近にあふれかえっているパンであるが、実はありとあらゆるパンに精通した「ブレッドジャーナリスト」なる肩書を持つ人物がいるらしい。
本書は、そのブレッドジャーナリストによるパンの特集が贅沢に組まれた内容となっている。
それも、普段なかなか食べられないような少しお値段の張るパン屋さんのパンが主だ。
パンにそこまでお金をかけることに抵抗がある人は多いだろう。
しかし、パン屋さんで焼かれたパンとコンビニエンスストアやスーパーで見かけるパンとは、圧倒的に作り手との距離が違うと著者も本書で記述している。

「その人のパンを食べている、という感覚」(本書p.142より)
不思議な言葉だが、感覚としてはどことなくわかる。
焼いてくれた人の顔が見えると、そのパンに温度が宿る気がするし、やっぱりおいしく感じるんじゃないかな。

ぜひ一度あなたにも、いつも食べているパンの向こう側を覗いてみてほしい。
ただし、パラパラとめくっただけでお腹が鳴ってしまう危険性があるので、お腹が空いているときに読むのはあまりおススめしない、要注意である。

(実業之日本社 販売マーケティング本部 王)

『BAKERS おいしいパンの向こう側』 清水 美穂子 著 1600円+税 実業之日本社




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情報提供元: FISCO
記事名:「 パン屋さんに行こう!と思い立ったときに読む本【Book】