仏大手メディアのAFPの報道によれば、フランスの経済財務大臣ブルーノ・ル・メール氏は12日、「少なくとも現時点では、欧州でリブラ開発は認められない」と言及した。

フランスのパリで開催された、ブロックチェーンと暗号通貨に関するOECD会議で公演を行なった同氏は、Facebookが主導するリブラプロジェクトについて、金融の安定に対する混乱をもたらすとして国家の「通貨の主権に対する脅威」を強く懸念。

マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与に対する、国際金融機関の何年にも渡る対応策にも言及し、「リブラのようなデジタル通貨が、これを簡単に回避できるとは思わない」と問題点も述べた。

リブラの運営・開発を目的に設立されたリブラ協会について、スイス中央銀行の副会長であるFritz Zurbruegg氏が8月28日、リブラに関する書類の詳細について「非常に曖昧だ」と発言。8月には、欧州委員会が「独占禁止法」に違反している可能性があるかどうか調査していることが報じられた。

リブラのブロックチェーンチームのリーダーを務めるDavid Marcus氏は今年6月、米公聴会で「全ての懸念点が解決されるまでリブラをローンチしない」ことを明言している。

EU加盟国が隣接するスイスでは積極的な動き
なお、EUの加盟国が隣接するスイスでは、リブラのネットワークを運用するために組織された「リブラ協会」では、スイスの金融当局(FINMA)に対して、決済システムのライセンスの申請を行うと新たな発表を行なっている。申請と同時に、リブラ協会とリブラの法的ステータスを明確にするよう要請するという。

これまでFINMAへの申請を行なっていなかったことは過去の報道で明らかになっていた事実がある。新たにライセンス申請を行なったことで、規制準拠が求められているリブラ協会の運営体制で重要なステップとなるだろう。

リブラ協会の報告によれば、少額支払いのマイクロペイメントやその他の取引に取り組むことは、数十億人という人々が流動性の高い経済へと踏み出せる一歩になると記されており、ライセンス取得に向けて意欲的であることが読み取れる。

リブラの通信政策責任者のDante Dispart氏によれば「私達はFINMAと建設的な会話を試みており、オープンソースのブロックチェーンネットワークが低摩擦、そして高セキュリティで規制が適用された決済システムとして活用できるような実現可能性のある道を模索している」と話した。

12日にFINMAが公開した「ステーブルコインガイドライン」では、「リブラトークンの発行が単なる決済事業としてではなく、リブラ協会の準備資金管理などの運営体制におけるより厳格なコンプライアンス条件が必要になる」と言及しており、今後もFINMAから別の事業関連ライセンスの取得を求められる動きへと繋がるかもしれない。

(記事提供:コインポスト)
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情報提供元: FISCO
記事名:「 仏財務大臣「欧州で仮想通貨リブラの開発は認められぬ」【フィスコ・アルトコインニュース】