半導体の開発を手がけるトリプルワンは19日、富士通<6702>グループで、電子デバイス製品の設計・開発や販売を手がける富士通エレクトロニクスと、仮想通貨ビットコインのマイニング(仮想通貨の新規発行や取引承認に必要となる計算作業)マシンに使う半導体チップ「KAMIKAZE」に関する販売特約店契約を締結したと発表した。

半導体チップ「KAMIKAZE」には、最先端 7 nmプロセス技術を採用しており、16nmといった従来のマイニング用チップに対して数倍の高密度となる。これにより、計算能力は、マイニング用半導体シェアトップの中国大手ビットメイン社の主力製品「S9」と比較して、約2倍になるという。

同社は、2017年2月よりこの半導体チップの開発を始め、2018年2月に設計の完了を発表した。2018年9月11日には、「KAMIKAZE」の性能評価テストにおいて、ハッシュレート値は主流マイニングマシンと同数値でありながら、消費電力は約50%近くの大幅な削減に成功したと発表。超低電圧(0.3 V 以下)での動作を実現し低消費電力化を図ることで、マイニングに必要となる膨大な電力を削減できるほか、シリコンチップの裏面がパッケージ上に露出する構造を採用することで、高い冷却効率を実現できるようだ。

同社は、今回の販売特約店契約の締結を通じ、富士通エレクトロニクスの実績や世界各地へのグローバルな展開力と、トリプルワンの最先端プロセス開発力を掛け合わせることで、世界各地の市場へ「日本のモノづくり」の真価を提供していくとの意向を示している。また、マイニング用 ASIC(特定用途向け IC)に留まらず、今後様々な分野・用途向けの最先端製品の開発・展開において連携していくとしている。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 トリプルワンと富士通エレク、マイニング用半導体チップに関する販売特約店契約を締結【フィスコ・ビットコインニュース】