電力やプラント、穀物の強みを持つ総合商社の丸紅<8002>は20日、米LO3エナジー社と共同で日本国内におけるブロックチェーン技術を用いた電力取引に係る実証実験を開始すると発表した。

LO3エナジー社は、ブロックチェーン技術を活用した電力取引プラットフォームの開発・構築を手がけているテクノロジー企業である。丸紅は、電力業界について「分散型電源を保有した需要家が発電した電力を自由に売買する時代の到来が想定されている」としたうえで、そうした取引には、中央管理者を排除した通信方式を可能とするブロックチェーン技術が適しているという評価があると述べた。このため、同分野のプラットフォーム構築に実績をもつLO3エナジー社と実証実験を行うに至ったという。

今回の実証実験では、丸紅グループ施設や同社の顧客先(電力消費者)と、同社が国内に保有する発電所(発電源)に、ブロックチェーン機能を搭載したメーターを設置する。発電源で発電された電力を、電力消費者がバーチャル市場経由で購入したい価格を専用のモバイルアプリにて設定し、購入することを模擬的に実施するとしている。

発表に際し、同社は「本実証実験を通じて、ブロックチェーン技術を活用した事業構築に係る知見を深め、再生可能エネルギー等の普及や社会貢献性の高いサービス・商品開発を目指していく」との意向を示している。

商社業界では、ブロックチェーンを活用する企業が相次いでおり、今月に入ってから特にその動きが顕著にみられている。伊藤忠<8001>は1日、インドネシアにおける天然ゴム原料調達サプライチェーンを対象に、ブロックチェーンを活用したトレーサビリティ実証実験を開始すると発表。また、三井物産<8031>は18日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>の三井住友銀行とともに、R3社が開発するブロックチェーン技術を活用した貿易取引プラットフォーム「Marco Polo」の実証実験を完了している。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 丸紅、米LO3エナジー社と、ブロックチェーンを活用した電力取引の実証実験を開始【フィスコ・ビットコインニュース】