10日の仮想通貨相場は全面安の展開となった。主要仮想通貨20種はトロン以外、全て下落しており、ビットコインは4000ドルを1時間ほどで下回った。FXcoinの松田康生氏は、コインテレグラフ 日本版の取材に答え、「ロングポジションへの傾き」、「相次ぐ悪材料」、「ビットメインのジハン・ウー退任報道」を急落の要因にあげた。

4130ドル付近で推移していたビットコイン(BTC)は1時間ほどで5%以上下落。4000ドルを下回り現在は3896ドル付近で推移している。仮想通貨全体の時価総額は、1時間で80億ドル(約8640億円)マイナスとなり、1300億ドルを再び下回った。現在は、1299億ドル付近で推移している。

一方、急落前は時価総額2位だったイーサリアム(ETH)は9%以上の下落。3%ほどの下落にとどまっているリップル(XRP)が、時価総額で再びイーサリアム (ETH)を追い抜いた(引用元:CoinMarketCap)

FXcoinのシニアストラテジスト松田康生氏は、コインテレグラフ日本版の取材に答え、今回の急落の要因について次のように分析した。

ロングポジションへの傾き

松田氏によると、ビットコイン相場は年末年始の三角保ち合いを上抜けた後、7日の上昇でロングポジションが急激に増加したことなどから、上値の重い展開が続いていた。今回の相場急落は、ロングポジションの揺り戻しがあったと考えられるという。

相次ぐ悪材料

松田氏は、悪材料として、イーサリアムクラシック(ETC)へ51%攻撃の被害が報告され始めたことやコインテレグラフ日本版が10日に報じた通り「金融庁の仮想通貨ETF承認検討」報道が誤報だったこと、政府機関の一部閉鎖が続く米国でトランプ大統領と民主党の協議が決裂したこと、などが考えられると指摘。

政府機関の一部閉鎖が続くと、市場が注目するBakkt(バックト)のビットコイン先物開始やSEC(米証券取引委員会)によるビットコインETFの可否判断に悪影響が出ることが懸念される。

バックトを手がけるインターコンチネンタル取引所は、先月31日、現物受け渡しのビットコイン先物取引の開始日を予定された1月24日から延期すると発表。開始日については「2019年の初め頃」にすると発表した。

また、SECは、米運用会社ヴァンエックと金融サービス企業のソリッドXが取引所Cboeと組んで申請中であるビットコインETFの可否判断について、2019年2月27日までに行うと発表している。

ビットメインのジハン・ウー退任報道

10日に中国のサウス・チャイナ・モーニング・ポストが中国マイニング大手ビットメインの創業者であるジハン・ウー氏とツァン・ケチュアン氏が退任し、新たCEOが就任すると報じた。松田氏は、「以前から噂はあったものの真偽が不明だったウー・ジハン氏の退任報道がとどめを刺した」と指摘。「それでもアジア時間は相場は下値をキープしていたが、欧州勢の参入とともにそれまでのサポートだった42万円台を下抜けたことで相場が走った」と分析した。

ウー氏は、「ビットコイン伝道師」ロジャー・バー氏と並んでビットコインキャッシュの支持者として知られており、ビットメインは大量のビットコインキャッシュを保有していることでも知られている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 仮想通貨相場急落 1時間で80億ドル吹き飛ぶ…要因は?|ビットコイン4000ドル割れ