モスクワの地区裁判所は13日、同国の通信規制当局「ロスコムナゾール(通信・情報技
術・マスコミュニケーション監督局)」の訴えに応じ、対話アプリ大手テレグラムの使用
を禁止、同局はテレグラムへのアクセス遮断を開始した。同国政府はテロ対策のため、インターネットの規制を強化しており、メッセージサービスを運営する事業者に対して、ユーザーがやりとりするメッセージの暗号解読の鍵を当局へ提供することを法律で義務付けている。

アクセス遮断に対しテレグラムは、サービスを米アマゾンの「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」及び、米アルファベットの「グーグル・クラウド」のクラウドサービスへの移管を開始した。そこで露通信規制当局は16日、AWS及びグーグル・クラウドのIPアドレスを対象に拡大。日本時間18日時点で1600万超のIPアドレスが遮断対象となっている。

ただ、同国のユーザーからは遮断措置後もアプリが利用可能だとの声も出ている。一方で、これらのクラウドサービスを利用する他社に影響が出ているようだ。楽天<4755>グループの無料通話アプリ「バイバー」などで、接続する際に問題が生じているという。

遮断措置に対して、テレグラム創設者のパベル・ドゥーロフ氏はテレグラム上の自身のチャンネルで、迂回策となるプロキシやVPNなどを提供する個人・企業に対してビットコインを支払っていることを明らかにした。加えて、引き続きアプリの機密性を保持していくことを約束している。

こうした動きから、今後もロシア政府は匿名性の高い仮想通貨による送金やICOプロジェクトに関しては否定的な態度を取っていくことが予想される。一方で、中央銀行によるイーサリアムベースのシステム導入を検討しているほか、独自の仮想通貨発行には意欲的な姿勢を変えていない。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 ロシア政府、テレグラムへのアクセス遮断対象を拡大【フィスコ・ビットコインニュース】