*09:36JST 19日の香港市場見通し:上値の重い展開か、外部環境は依然不透明 19日の香港市場は、外部環境の不透明感で上値の重い展開か。外部環境はネガティブ。中東情勢を巡る不透明感が依然としてくすぶっている。トランプ米大統領は18日、核開発を続けるイランに対し最後通告をしたことを認めたうえで、イラン攻撃についての明言は避けた。イランの最高指導者ハメネイ師は同日、トランプ氏が呼びかけたイスラエルに対する「全面降伏」を拒否している。一方、米メディアは同日、「イランはトランプ米大統領による早期会談の提案を受け入れる見通し」とイラン高官の情報として報じた。

米金融政策の動向も気がかり。米連邦準備理事会(FRB)が18日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り政策金利が据え置かれた。パウエルFRB議長はその後の会見で、「経済の先行きは不確実性が高まっている」、「インフレは夏にかけて上昇する」などと見解を述べている。年内利下げの後ずれも意識された。

18日の米株市場は方向感を欠く展開。主要指標のNYダウが前日比0.1%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%高と反発した。

中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.8%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が2.0%安、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が1.9%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.4%安と下げが目立っている。

商品相場では、中東情勢の悪化懸念が続き、WTI原油先物が0.4%高と続伸した。NY金先物は1.2米ドル高の3408.1米ドル(1トロイオンス)と小反発している。

一方、内部環境に目立った変化はない。中国景気の鈍化が警戒される中、当局が追加の刺激策を打ち出すとの観測が続いている。一方、18日に開幕した陸家嘴金融フォーラムでは、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁が金融開放のため、人民元の国際化など8項目の措置を発表した。

こうした中、本日の香港市場は全体として上値の重い展開か。中国の政策に対する期待感は根強いものの、外部環境が依然として不透明だ。なお、香港金融管理局(HKMA)は19日、米金融政策に追随し、政策金利である基準金利を4.75%に据え置いている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 19日の香港市場見通し:上値の重い展開か、外部環境は依然不透明