29日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比33.19ポイント(0.92%)安の3573.18ポイントと続落した(上海A株指数は0.92%安の3745.31ポイント)。


中国指標の発表が不安材料として意識される流れ。あす公表される今年6月の製造業PMI(国家統計局などが集計)に関しては、5月実績からやや低下するとの予想がコンセンサスだ。今月報告された月次経済指標が総じて弱い内容だっただけに、足もとの経済動向を見極めたいとするスタンスが広がっている。また、一部の国で感染力の強い新型コロナウイルス変異種が流行し、再び行動規制を強化していることも懸念材料だ。経済回復の鈍化が警戒されている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、消費関連の下げが目立つ。中国自動車最大手の上海汽車集団(600104/SH)が3.0%安、醤油メーカー中国大手の仏山市海天調味食品(603288/SH)が2.4%安、家電メーカーの海爾智家(600690/SH)が2.3%安、免税店運営の中国旅遊集団中免(601888/SH)と白酒最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)がそろって2.0%安で引けた。


金融株もさえない。興業銀行(601166/SH)が2.7%安、招商銀行(600036/SH)が1.7%安、新華人寿保険(601336/SH)が2.2%安、中国平安保険(601318/SH)が1.9%安で取引を終えた。資源・素材株、公益株、インフラ関連株、海運株、不動産株なども売られている。


半面、太陽光発電の関連銘柄は高い。通威(600438/SH)と上機数控(603185/SH)がそろって4.4%、隆基緑能科技(601012/SH)が3.6%、福莱特玻璃集団(フラット・グラス・グループ:601865/SH)が2.5%ずつ上昇した。隆基株は上場来高値を更新している。当局の太陽光発電振興策に対する期待が大きい。国家能源局総合司は今月20日、「県・市・区建物屋上分散型太陽電源開発の試行案に関する通知」を公布し、公共施設などを中心に、屋上太陽光エネルギーの利用を加速する方針を打ち出した。


このほか深セン市場では、車載電池世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)が3.0%高と続伸。連日で最高値を切り上げている。同社は28日、2022年1月から25年12月までの4年間、リチウムイオンバッテリーを供給することで米テスラ(TSLA/NASDAQ)と先週25日に契約を結んだと発表した。CATLの時価総額は、概算1兆1820億人民元(約20兆2100億円)に膨張している。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.11ポイント(0.04%)安の254.09ポイント、深センB株指数が5.98ポイント(0.50%)安の1186.75ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の中国本土市場概況:上海総合0.9%安で続落、太陽光関連は逆行高