8日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比19.43ポイント(0.54%)安の3580.11ポイントと3日ぶりに反落した(上海A株指数は0.54%安の3752.57ポイント)。


指標発表前に買いが手控えられる流れ。中国ではあす9日、今年5月の物価統計が公表される。このところインフレ動向を材料にした売買が目立っていただけに、内容を見極めたいとするスタンスが強まった。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、経済活動の早期正常化が期待されている。中国国家衛生健康委員会の曽益新・副主任は国営メディアの取材に対し、2021年末までに新型コロナウイルスワクチンの対象グループに対する接種率を70%以上に引き上げるとの目標を掲げた。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、消費関連株の下げが目立つ。老舗化粧品メーカーの上海家化聯合(600315/SH)が4.2%安、白酒最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が3.5%安、家電メーカーの海爾智家(600690/SH)が1.3%安で引けた。


薬品株も安い。ショウ州片仔コウ薬業(600436/SH)が9.9%、北京同仁堂(600085/SH)が2.4%、薬明康徳(603259/SH)が1.1%ずつ下落した。資源・素材株、ハイテク株なども売られている。


半面、上海拠点のデベロッパー銘柄は急伸。上海陸家嘴金融貿易区開発(600663/SH)と上海金橋輸出加工区開発(600639/SH)がそろってストップ高、上海臨港HD(600848/SH)が8.5%高、上海市北高新(600604/SH)が5.5%高、上海張江高科技(600895/SH)が3.8%高で取引を終えた。政策の動きが再び材料視されている。上海市政府は2日、総額800億人民元(約1兆3760億円)規模に上る国内最大の都市再開発ファンドを立ち上げると宣言した。金融株、運輸株、軍事関連株、自動車株の一角も買われている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.12ポイント(0.44%)高の254.74ポイント、深センB株指数が10.39ポイント(0.89%)安の1161.37ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で3日ぶり反落、消費関連株に売り