週明け7日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比130.82ポイント(0.45%)安の28787.28ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が57.44ポイント(0.53%)安の10748.20ポイントとそろって4日続落した。売買代金は1444億7300万香港ドルに縮小している(4日は1929億9600万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが強まる流れ。米中対立の警戒感がくすぶっていることや、中国本土の一部地域で新型コロナウイルス感染が再拡大していることが重しとなっている。香港・マカオに隣接する中国・広東省では、コロナウイルス変異株の感染が増えつつあり、行動制限が強化された。また、マカオ政府は5日夜、広東省の広州市や仏山市の一部地域について、不要不急の渡航を一時見合わせるよう勧告している。先週末の米株高を好感した買いが先行したものの、ハンセン指数などは程なくマイナスに転じた。なお、取引時間中に公表された今年5月の貿易統計は、輸出と輸入の伸びがそろって事前予想を下回っている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.2%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が4.8%安、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が4.1%安と下げが目立った。


セクター別では、カジノや映画館などレジャー関連が安い。澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が2.4%、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が2.1%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が1.9%、アイマックス・チャイナHD(1970/HK)が3.6%、猫眼娯楽(マオイェン・エンターテインメント:1896/HK)が2.9%、歓喜伝媒集団(フアンシー・メディア・グループ:1003/HK)が2.1%ずつ下落した。


中国不動産セクターもさえない。中国金茂HD(817/HK)が2.2%安、広州富力地産(2777/HK)が1.6%安、龍湖集団HD(960/HK)が1.4%安、合景泰富集団HD(1813/HK)が1.2%安で引けた。


半面、半導体や通信設備・工事などハイテク関連は物色される。ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が3.5%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.6%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.9%高、華虹半導体(1347/HK)が1.3%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が2.8%高、京信通信系統HD(2342/HK)が1.4%高、中国通信服務(552/HK)が0.9%高で取引を終えた。


個別では、取引再開した豚肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が7.7%高と急伸。プレミア価格での自社株公開買い付け(TOB)が材料視された。同社は1株当たり7.80香港ドルで19億1693万株(発行済み株式相数の13%)を上限に買い付ける。この日の終値は7.33香港ドルだった。


一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.21%高の3599.54ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。エネルギー株、食品飲料株、海運株、証券株、医薬品株の一角なども買われた。半面、不動産株は安い。銀行・保険株、公益株も売られた。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 7日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で4日続落、万洲国際は7.7%逆行高