3日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比12.93ポイント(0.36%)安の3584.21ポイントと続落した(上海A株指数は0.36%安の3756.84ポイント)。

様子見ムードが広がる流れ。中国では週明け7日に5月の貿易統計、9日に同月の物価統計などが公表される。本日発表された財新5月中国非製造業PMI(民間集計)が55.1となり、市場予想(56.2)以上に前月実績(56.3)から低下しただけに、来週公表予定の指標を見極めたいとするスタンスが強まった。(亜州リサーチ編集部)


銀行株が下げを主導する。招商銀行(600036/SH)が2.3%安、成都銀行(601838/SH)が1.5%安、興業銀行(601166/SH)が1.2%安で取引を終えた。


半導体株も安い。嘉興斯達半導体(603290/SH)が4.1%、上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が3.9%、杭州士蘭微電子(600460/SH)が1.8%ずつ下落した。


医薬品株もさえない。上海復星医薬集団(600196/SH)が3.6%安、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が2.1%安、人福医薬集団(600079/SH)が1.6%安、北京同仁堂(600085/SH)が1.4%安と値を下げた。自動車株、保険・証券株、発電株、海運株、防衛関連株なども売られている。


半面、不動産株は急伸。なかでも、上海拠点の銘柄が物色され、上海陸家嘴金融貿易区開発(600663/SH)や上海市北高新(600604/SH)、上海張江高科技(600895/SH)、上海臨港控股(600848/SH)、上海金橋輸出加工区開発(600639/SH)などがそろってストップ高した。政策の動きが刺激材料。上海市政府は総額800億人民元(約1兆3760億円)規模に上る国内最大の都市再開発ファンドを立ち上げると宣言した。


第5世代(5G)ネットワーク関連銘柄も高い。上海上場の通信インフラ設備メーカー大唐電信科技(600198/SH)が5.1%、通信機器メーカーの東方通信(600776/SH)が4.1%、光ファイバー・ケーブルメーカーの烽火通信科技(600498/SH)が3.5%、深セン上場の通信機器・設備メーカー大手の中興通訊(000063/SZ)が6.6%ずつ上昇している。華為技術(ファーウェイ)が2日、自社開発の基本ソフト(OS)「ハーモニー(鴻蒙)OS2」を正式リリースしたことなどが材料視された。ハーモニーOS2は、幅広い製品をIoT(モノのインターネット)で結ぶプラットフォーム機能を重視する。米国による制裁でグーグルのアンドロイドOS新バージョン供給が停止される中、国産OSの供給で5G需要も加速すると見込まれた。このほか、酒造株、エネルギー株も買われている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が3.58ポイント(1.41%)高の256.80ポイント、深センB株指数が5.16ポイント(0.44%)高の1168.77ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 1日の中国本土市場概況:上海総合0.4%安で続落、銀行セクター下げ主導