28日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比129.80ポイント(0.45%)高の29071.34ポイントと3日ぶりに反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が31.23ポイント(0.28%)高の11014.69ポイントと小幅ながら続伸した。売買代金は1362億7100万香港ドルにやや縮小している(27日は1454億4700万香港ドル)。


企業業績の改善が買い安心感を誘う流れ。主要企業の決算報告がピークを迎える中、これまでに発表された各社の業績は、増益や黒字転換など堅調なものが多くみられる。好業績銘柄の物色が全体相場を下支えした。もっとも、上値は重い。今週30日に4月の中国製造業PMIが公表されることに加え、中国本土で今週末、メーデーの大型連休(5月1〜5日)がスタートすることもあり、積極的な売買が手控えられている。また、米国で28日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表や、バイデン米大統領の施政方針演説が控えていることも気がかり材料だ。大統領は富裕層や大企業向けの増税計画を打ち出すとみられている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が4.0%高、豚肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)と金融大手グループのHSBC(5/HK)がそろって3.2%高と上げが目立っている。万洲国際に関しては、四半期決算の82%増益が好感されている。HSBCについては、前日昼に公表した四半期決算の上振れが引き続き手材料視された。


セクター別では、中国の発電が高い。華潤電力HD(836/HK)が3.2%、華能国際電力(902/HK)が3.0%、中国電力国際発展(2380/HK)と中国広核電力(CGNパワー:1816/HK)がそろって1.7%ずつ上昇する。華能国際電力の四半期決算は52%増益となり、予想を上回った。


業績動向を手がかりにした値動もみられる。薬品メーカーの広州白雲山医薬集団(874/HK)が5.4%高と急伸した。同社の四半期決算は4割増益となっている。広東省基盤の広深鉄路(525/HK)は1.3%高。同社の決算は赤字幅が縮小している。


半面、非鉄セクターはさえない。新疆新キン鉱業(3833/HK)が9.3%安、江西銅業(358/HK)と洛陽モリブデン集団(3993/HK)がそろって3.5%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が2.4%安で引けた。中国アルミの四半期決算が利益31倍となるなど各社の業績は拡大しているが、株価は足もとで上昇基調を強めていただけに、好材料の一旦出尽くしが意識されている。


一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.42%高の3457.07ポイントで取引を終了した。医薬品株が高い。発電株、エネルギー株、自動車株、小売株、ハイテク株、不動産株、保険株なども買われた。半面、食品飲料株の一角は安い。銀行株、証券株、海運株も売られた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 28日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で3日ぶり反発、発電セクター上げ目立つ