13日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比43.97ポイント(0.15%)高の28497.25ポイントと3日ぶりに反発する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は24.30ポイント(0.22%)安の10850.53ポイントと3日続落した。売買代金は1428億3600万香港ドルにやや縮小している(12日は1607億400万香港ドル)。


景気期待が相場を支える流れ。新型コロナウイルスのワクチン接種が中国や米国で加速する中、経済活動の正常化が早まるとみられている。また香港政府は12日、コロナワクチンの接種状況に応じて、外食規制を段階的に緩和する「疫苗気泡(ワクチンバブル)」の導入方針を明らかにした。域内のワクチン接種率を引き上げる狙いがある。


ただ、様子見ムードが漂う中で上値も重い。今週16日には、第1四半期(1〜3月)の中国GDP成長率が公表される予定だ。足もとで報告された中国経済指標は強弱感の分かれる内容だっただけに、内容を見極めたいとするスタンスが強まっている。取引時間中に公表された今年3月の中国貿易統計では、輸出の伸びが事前予想をやや下回ったものの、輸入は大幅に予想を上回った。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、不動産投資会社の九龍倉置業地産投資(1997/HK)が6.2%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.1%高、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)が3.3%高、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が3.2%高と上げが目立った。


セクター別では、香港の消費関連が高い。大衆レストランチェーンの太興集団HD(タイヒン・グループ・ホールディングス:6811/HK)が5.8%、輸入食品小売チェーン「759阿信屋(759 Store)」を傘下に置くCEC国際HD(CECインターナショナル・ホールディングス:759/HK)が3.8%、化粧品製造販売の卓悦HD(ボンジュール・ホールディングス:653/HK)が3.1%、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が1.9%ずつ上昇した。周大福珠宝に関しては、今年1〜3月期の売上高が前年同期比で153%増加したことも材料視されている。


半面、「ニューエコノミー」関連銘柄は総じてさえない。ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は1.6%安と3日続落。主要銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が7.4%安、インターネット検索中国最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が2.2%安、インターネットサービス中国大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が0.9%安で取引を終えた。反独占の取り締まり強化が引き続き不安材料となっている。国家市場監督管理総局など中国の関連部門は13日、インターネットプラットフォーム企業に対する行政指導会議を行った。会議では、取引先に「二選一」(二者択一)を迫るなど、公正な市場競争を阻害する独占行為を厳しく批判している。


一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.48%安の3396.47ポイントで取引を終了した。発電株が安い。金融株、資源・素材株、不動産株、インフラ関連株なども売られた。半面、食品飲料株は高い。自動車株、医薬品株、農業関連株、ハイテク株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 13日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で3日ぶり反発、科技指数は1.6%下落