7日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比3.34ポイント(0.10%)安の3479.63ポイントと続落した(上海A株指数は0.10%安の3647.27ポイント)。


引き締め懸念がくすぶる流れ。中国人民銀行(中央銀行)は6日、リバースレポ取引により100億人民元を市中に供給したが、満期到来分との差引では100億人民元の吸収超だった(7日は、差引でゼロ)。また、英メディアは5日、「人民銀がバブルを警戒し、市中銀行に与信を抑制するよう指導した」と関係者の話として報じている。中国と米欧の対立も不安材料。新疆ウイグル自治区の人権問題などを巡り、双方は制裁措置を応酬している。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。世界的に景気回復期待が高まっている。国際通貨基金(IMF)は6日発表した世界経済見通し(WEO)で、世界の成長率予想を5.5→6.0%に、中国の成長率予想を8.1→8.4%にそれぞれ再び上方修正した。(亜州リサーチ編集部)


金融株が下げを主導する。中国太平洋保険(601601/SH)が4.8%安、興業銀行(601166/SH)が1.7%安、中信建投証券 (601066/SH)が1.5%安と値を下げた。


消費関連株もさえない。白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が3.1%安、乳製品グループ大手の内蒙古伊利実業集団(600887/SH)が3.0%安、免税店運営の中国旅遊集団中免(601888/SH)が1.7%安、商用車メーカーの東風汽車(DFAC:600006/SH)が1.2%安で取引を終えている。医薬品株、ハイテク株、防衛関連株なども売られた。


半面、運輸株は物色される。中遠海運HD(601919/SH)がストップ高、中国外運(サイノトランス:601598/SH)が9.8%高、中国東方航空(600115/SH)が6.4%高で引けた。コンテナ海運大手の中遠海運に関しては、業績拡大の見通しが刺激材料。同社は2021年第1四半期(1〜3月)の純利益について、前年同期比で53倍に拡大するとの見方を示した。このほか不動産株、公益株、エネルギー株、素材株の一角も買われている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.62ポイント(0.25%)高の247.00ポイント、深センB株指数が2.57ポイント(0.22%)高の1145.16ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 7日の中国本土市場概況:上海総合0.1%安で続落、金融セクター下げ主導