31日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比14.76ポイント(0.43%)安の3441.91ポイントと4日ぶりに反落した(上海A株指数は0.43%安の3607.72ポイント)。

投資家の慎重スタンスが強まる流れ。米中対立の警戒感が依然としてくすぶっている。米国務省は30日、年次人権報告書(2020年版)を公表し、「中国当局による新疆ウイグル自治区の少数民族弾圧はジェノサイドに相当する」との認識を改めて示した。新疆の人権問題を巡っては、中国と欧米が非難を応酬し、制裁合戦に突入している。米金利高も不安材料。米10年債利回りは昨夜、一時1.77%台に上昇し、昨年1月以来、約1年2カ月ぶりの高水準を記録した。金利はいったん低下する場面がみられたものの、31日は再び上げ基調にある。

ただ、景気先行きが楽観される中で、大きく売り込む動きはみられない。朝方公表された今年3月の中国製造業PMIは51.9となり、市場予想(51.2)以上に2月実績(50.6)から改善した。(亜州リサーチ編集部)

業種別では、素材関連の下げが目立つ。ポリウレタン原料の万華化学集団(600309/SH)が5.1%安、レアアースの中国北方稀土(600111/SH)が3.7%安、化学繊維の恒力石化 (600346/SH)が2.9%安、非鉄の洛陽モリブデン(603993/SH)が2.2%安、鉄鋼の宝山鋼鉄(600019/SH)と改質プラスチックの金発科技(600143/SH)がそろって1.3%安で引けた。証券株、保険株、石炭株なども売られている。


半面、発電株は高い。華電国際電力(600027/SH)が5.4%、華能国際電力(600011/SH)が2.8%、中国核能電力(601985/SH)が2.0%ずつ上昇した。海運株、メディア関連株の一角も買われている。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.44ポイント(0.18%)安の245.19ポイント、深センB株指数が3.35ポイント(0.30%)高の1132.40ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 31日の中国本土市場概況:上海総合0.4%安で4日ぶり反落、素材セクターに売り