30日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比21.38ポイント(0.62%)高の3456.68ポイントと3日続伸した(上海A株指数は0.62%高の3623.21ポイント)。


景気期待が持続する流れ。中国国家統計局は先週27日、主要工業企業の1〜2月利益が前年同期比で2.8倍に達したと報告した。それより先、世界銀行は、中国の2021年成長率が20年実績の2.3%から8.1%に急上昇するとの見通しを示している。また、主要企業の決算報告が進む中、増益など好決算を明らかにする企業が相次いでいることも材料視された。もっとも、上値は重い。相場を大きく動かす新規材料には乏しく、積極的な売買は手控えられた。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。太陽光発電素材メーカーの隆基緑能科技(601012/SH)が9.3%高、ディスプレイ基幹部品の彩虹顕示器件(600707/SH)が6.6%高、電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)が5.3%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が5.2%高、業務ソフト開発大手の用友網絡科技(600588/SH)が4.2%高で引けた。


医薬品株も高い。北京同仁堂(600085/SH)が7.5%、薬明康徳(603259/SH)が4.9%、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が3.4%ずつ上昇した。中医薬の北京同仁堂に関しては、20年通期決算の上振れが材料視されている。食品飲料株、自動車株、素材株、不動産株、海運株、防衛関連株、エネルギー株なども買われた。


業績動向を手がかりにした個別株の動きでは、上海を拠点とする大手乳製品メーカーの光明乳業(600597/SH)が4.1%高。30日公表した業績は2割増益だった。そのほか増収増益を手がかりに、文房具メーカーの上海晨光文具(603899/SH)が7.8%高と値を上げた。


半面、発電株は安い。上海電力(600021/SH)が6.4%、大唐国際発電(601991/SH)が4.7%、中国核能電力(601985/SH)が2.0%ずつ下落した。保険株や証券株、メディア関連株も売られている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.55ポイント(0.22%)高の245.62ポイント、深センB株指数が5.08ポイント(0.45%)高の1129.05ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 30日の中国本土市場概況:上海総合0.6%高で3日続伸、ハイテクと医薬に買い