週明け22日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前営業日比53.72ポイント(1.45%)安の3642.44ポイントと6日ぶりに反落した(上海A株指数は1.46%安の3818.13ポイント)。


売り圧力が意識される流れ。上海総合指数は先週末まで急ピッチに5日続伸し、足もとでは約5年半ぶりの高値水準を切り上げていた。このところの上昇相場をけん引していた銘柄群に売りが広がっている。ただ、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。新型コロナウイルス感染が中国のほか主要国で落ち着きつつあることや、中国の経済政策に対する期待感が相場を支えている。中国では来週3月5日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する予定だ。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、消費関連の下げが目立つ。家電メーカーの海爾智家(600690/SH)が9.5%安、免税店運営の中国旅遊集団中免(601888/SH)が8.9%安、白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が7.0%安、ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車(601633/SH)が5.7%安、醤油メーカー中国大手の仏山市海天調味食品(603288/SH)が4.3%安で引けた。


ハイテク株もさえない。太陽光発電素材メーカーの隆基緑能科技(601012/SH)が6.9%安、IC設計の上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が5.6%安、情報技術サービスの上海宝信軟件(600845/SH)が2.8%安と値を下げた。ベンチャー企業株で構成される深セン創業板指数は4.5%安と3日続落。他の指数をアンダーパフォームしている。このほか、医薬品株、金融株、防衛関連株なども売られた。


半面、非鉄や製紙、鉄鋼など景気動向に敏感な素材株は急伸。江西銅業(600362/SH)と山鷹国際HD(600567/SH)がそろってストップ高、宝山鋼鉄(600019/SH)が9.9%高で取引を終えた。景気先行指標とも言われる銅先物は先週、NYで約9年5カ月ぶりの高値水準を切り上げている。


農業関連株も急伸。農機メーカーの第一トラクター(601038/SH)がストップ高し、農業生産会社の新彊賽里木現代農業(600540/SH)が6.6%高と値を上げた。国務院は21日、中央政府が策定した当該年の最も重要な政策課題を掲げる文書「中央1号文件」を今年も発表。「三農」(農業、農村、農民)問題を解決すべき最優先課題とする政策を04年以来、18年連続で打ち出した。そのほか、エネルギー株、海運株、不動産株、公益株、インフラ関連株の一角も買われている。


一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が2.10ポイント(0.85%)高の249.87ポイント、深センB株指数が12.90ポイント(1.13%)安の1133.11ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 22日の中国本土市場概況:上海総合1.5%安で6日ぶり反落、消費関連に売り