29日の香港市場は値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比267.06ポイント(0.94%)安の28283.71ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が125.25ポイント(1.11%)安の11208.78ポイントとそろって4日続落した。売買代金は2401億8400万香港ドルに縮小している(28日は2698億8100万香港ドル)。


朝方は自律反発狙いの買いが先行したものの、後場に入って売り優勢に転じた。米株価先物の下落が嫌気されたほか、中国短期金利の上昇も流動性ひっ迫への懸念につながっている。中国人民銀行(中央銀行)が29日に実施した公開市場操作(レポ)は4日ぶりの供給超となったものの、短期金利の指標となる上海銀行間取引金利(SHIBOR)はこの日も引き続き上昇し、数年ぶりの高水準に達した。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、民営自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.9%安と大きく下落。ほか消費関連株の下げも目立ち、紙製品大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.8%安、ビール大手の百威亜太HD(バドワイザー・ブリューイング・カンパニーAPAC:1876/HK)が3.5%安で引けた。


ハイテク関連では、来週2月2日に決算発表を控えたEコマース中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が1.9%値下がり。半面、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が各0.1%高と小幅ながら上昇した。


セクター別では、クリーンエネルギー関連の下げがきつい。太陽光発電素材の陽光能源(ソーラーギガ・エナジー:757/HK)が5.6%安、信義光能HD(シンイ・ソーラー・ホールディングス:968/HK)が2.9%安、風力発電最大手の龍源電力集団(チャイナ・ロンユェン・パワー・グループ:916/HK)が2.7%安で引けた。ただ、太陽光発電用ガラスも手掛ける洛陽玻璃(洛陽ガラス:1108/HK)は9.7%急伸。同社は昨日、通期決算が456〜530%増益になるとの見通しを発表している。


そのほか業績関連では、電動自転車向けバッテリー中国大手の天能動力国際(819/HK)が5.2%上昇。上海「科創板」に上場する子会社、天能電池集団(688819/SH)の通期業績に関し、最大64%増益を予想した。


本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.63%安の3483.07ポイントで取引を終えた。石炭などエネルギー株が安い。非鉄金属株、不動産株、自動車株、金融株の一角も売られた。半面、観光・ホテル株、酒造株、鉄鋼株などが買われた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で4日続落、後場マイナス圏に転落