27日の中国本土市場は小幅に値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比3.91ポイント(0.11%)高の3573.34と反発した(上海A株指数は0.11%高の3745.64ポイント)。


中国景気の持ち直しが再び意識される流れ。国家統計局が朝方公表した昨年12月の全国工業企業利益は前年同期比で20.1%増加し、11月の15.5%増から大幅に上向いた。中国の過度な金融引き締めに対する警戒感もやや後退。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は26日、世界経済フォーラム(WEF)のパネル討論会で、「人民銀行が金融政策による支援措置を早期に解除することはない」と言明した。ただ、人民銀は朝方、2日続けてレポ取引を通じ市場から資金を吸収したことはマイナス。指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)


銀行株が相場を主導する。興業銀行(601166/SH)が2.6%、招商銀行(600036/SH)が1.2%、中国工商銀行(601398/SH)が0.8%ずつ上昇した。金利高で利ザヤが改善すると期待されている。人民元建ての上海銀行間取引金利(SHIBOR)は27日、翌日物が前日に続き急伸し、2019年4月以来、約1年9カ月ぶりの高水準に達した。


ハイテク株の一角も高い。太陽光発電素材メーカーの隆基緑能科技(601012/SH)が7.8%、情報技術サービスの上海宝信軟件(600845/SH)が3.3%、IC設計の上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が3.0%ずつ上昇した。このほかメディア関連株、保険株、運輸株、素材株、公益株、インフラ関連株の一角も買われている。


半面、消費関連株はさえない。中国ビール2位の青島ビール(600600/SH)が3.5%安、白酒(中国の蒸留酒)の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)と醤油の仏山市海天調味食品(603288/SH)がそろって2.5%安、小売の豫園商城(600655/SH)が2.1%安で引けた。


不動産株も安い。金地集団(600383/SH)が2.9%、上海世茂(600823/SH)が2.4%、保利地産(600048/SH)が1.6%ずつ下落した。主要都市で投機的な住宅取引の締め付けが強化されている。北京市や上海市、深セン市に続き、浙江省省都の杭州市も市況の沈静化に向けて動き出したと伝わった。自動車株、医薬品株、証券株も売られている。


一方、外貨建てB株相場は値上がり。上海B株指数が1.72ポイント(0.70%)高の247.54ポイント、深センB株指数が14.55ポイント(1.36%)高の1086.63ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の中国本土市場概況:上海総合0.1%高で反発、銀行セクター相場主導