22日の香港市場は値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比479.91ポイント(1.60%)安の29447.85ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が212.00ポイント(1.78%)安の11677.45ポイントとそろって続落した。売買代金は2441億8900万香港ドルに縮小している(21日は2649億500万香港ドル)。


高値警戒感が広がる中で売りが先行する流れ。前日ザラ場にハンセン指数が1年8カ月ぶりに心理的節目の30000ポイントを一時回復する中、目先の達成感が意識された。本土マネーの流入が鈍化していることも売り材料。21日の相互取引スキームを通じた本土投資家による香港株買い越し額は162億香港ドル(約2160億円)にとどまり、過去最大となった19日の記録(266億香港ドル)との比較で4割減少した。市場では、直近の相場急伸によって「香港株の出遅れ感は後退した」との見方も出ている状況だ。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が5.6%安で値下がり率トップ。マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)も4.4%安と大きく値下がりした。マカオのカジノ銘柄に関しては、域内で7カ月ぶりに新型コロナウイルス感染が確認されている。半面、美団(メイトゥアン:3690/HK)が1.3%高、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.2%高で引けるなどハイテク株の一角が買われた。


セクター別では、石油や石炭などエネルギー関連が安い。上記した中国海洋石油のほか、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.2%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が3.9%、中国中煤能源(1898/HK)が5.8%、中国神華能源(1088/HK)が3.2%ずつ下落した。


食品・飲料や家電、スポーツ用品など中国消費関連セクターもさえない。中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.7%安、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.3%安、創維集団(スカイワース・グループ:751/HK)が4.9%安、TCL電子HD(1070/HK)が3.4%、李寧(リーニン:2331/HK)が3.1%安で取引を終えた。


一方、太陽光や風力などエコ発電関連は総じて堅調。陽光能源HD(757/HK)が63.4%急騰したほか、中国大唐集団新能源(1798/HK)が4.5%高、新疆金風科技(2208/HK)が4.0%高と値を上げた。中国は2060年までに、二酸化炭素(CO2)排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するとの国家目標を掲げている。また、米国ではグリーン政策を掲げるバイデン新政権がスタート。世界的に気候変動対策が注目されている。


一方、本土市場は3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.40%安の3606.75ポイントで取引を終了した。保険など金融株が下げを主導。エネルギー株、不動産株、鉄鋼株、公益株なども売られた。半面、医薬品株、ホテル・観光株などが買われた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 22日の香港市場概況:ハンセン1.6%安で続落、本土資金の流入鈍化