12日の中国本土市場は大幅に値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比76.84ポイント(2.18%)高の3608.34ポイントと3日ぶりに反発した(上海A株指数は2.18%高の3782.36ポイント)。約5年1カ月ぶりの高値水準を回復している。上海市場の代表銘柄で構成される「上海50A株指数」は3.43%高と急伸した。約13年ぶりの高値水準を回復している。


安寄り後に買われる流れ。新型コロナウイルス感染再拡大の警戒感はあるものの、中国の経済対策に対する期待感が相場を支えている。政策の恩恵を受けやすい銘柄群に物色の矛先が向かった。今年スタートした第14次5カ年計画(2021〜25年)では、内需の拡大や科学技術の発展が主要なテーマとなっている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、消費関連の上げが目立つ。家電メーカーの海爾智家(600690/SH)が7.7%高、免税店運営の中国旅遊集団中免(601888/SH)が6.9%高、スーパーマーケットチェーンの上海百聯集団(600827/SH)が5.9%高、白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が2.9%高で引けた。海爾智家と中国旅遊集団中免、貴州茅台酒は上場来高値を更新している。中国の首都・北京市で、一部の食品価格が急騰していると伝わったこともプラス材料だ。


ハイテク株も高い。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が8.7%、IC設計の上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が4.7%、太陽光発電素材メーカーの隆基緑能科技(601012/SH)が3.6%ずつ上昇した(三安光電と上海韋爾半導体は最高値更新)。


証券株と保険株も急伸。招商証券(600999/SH)がストップ高、中信証券(600030/SH)が9.4%高、中国人寿保険(601628/SH)が8.1%高、中国平安保険(601318/SH)が4.5%高で取引を終えた。将来的な年金マネーの流入が見込まれた。そのほか前場に売られた銀行株もしっかり。インフラ関連株、医薬品株、エネルギー株、素材株、自動車株なども買われた。


一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が1.18ポイント(0.48%)高の248.32ポイント、深センB株指数が2.24ポイント(0.20%)安の1093.49ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 中国大引:上海総合2.2%高で3日ぶり急反発、国策に期待感