6日の香港市場は値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比42.44ポイント(0.15%)高の27692.30ポイントと6日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も125.68ポイント(1.17%)高の10899.83ポイントと続伸した。ハンセン指数は約11カ月ぶりの高値水準を切り上げている。売買代金は2181億2200万香港ドルと高水準が続いた(5日は2150億2900万香港ドル)。


本土株高に連れる流れ。上海総合指数は0.63%高と5日続伸し、約2年11カ月ぶりの高値水準で引けた。人民元高の進行が追い風。中国人民銀行(中央銀行)は6日、人民元レートの対米ドル基準値を約2年7カ月ぶりの元高水準に設定した。上海外国為替市場では、今月に入り人民元高が急速に進んでいる。市場では、「当局は人民元高を容認している」との見方も広がった。通貨高を背景に、資金流入が期待されている。香港情勢の不透明感などで指数は安く推移していたものの、本土株高をにらみながら、引けにかけて再びプラスに転じた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が4.5%高、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が4.3%高、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が3.5%高と上げが目立った。時価総額上位の銀行株も強含んでいる。CNOOCなど石油関連に関しては、原油高が好感された。WTI原油先物は昨夜、産油国の減産強化などを材料に4.9%高と急反発し、一時は約10カ月ぶりの高値を切り上げている。


セクター別では、ネット関連が高い。上記した美団のほか、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が7.7%、網易(ネットイース:9999/HK)が3.9%、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が3.1%、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.2%、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が1.6%ずつ上昇した(金山軟件は上場来高値を更新)。Eコマース大手の京東に関しては、2021年内に物流事業を香港マーケットにスピンオフ上場させる計画などが改めて材料視されている。


ゼネコンや建材のインフラ建設セクターも急伸。中国交通建設(1800/HK)が11.2%高、中国鉄建(1186/HK)が9.9%高、中国中鉄(390/HK)が5.1%高、中国建材(3323/HK)が7.3%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が6.4%高、中国西部水泥(西部セメント:2233/HK)が6.1%高で取引を終えた。


不動産管理サービスの銘柄群も物色される。世茂服務HD(873/HK)が23.7%高、保利物業発展(6049/HK)が22.0%高、融創服務HD(1516/HK)が17.1%高、雅居楽雅生活服務(3319/HK)が16.6%高、碧桂園服務HD(6098/HK)が16.3%高と軒並み2ケタ上昇した。中国の住宅都市農村建設部など10部門は5日、住宅管理サービスの強化に向けた新たなガイドラインを発表。周辺業務へのサービス拡大を奨励した。


半面、香港拠点の銘柄群はさえない。電能実業(6/HK)と長江実業集団(1113/HK)がそろって1.6%、中銀香港(2388/HK)と香港中華煤気(ホンコン・チャイナガス:3/HK)、九龍倉置業地産投資(1997/HK)がそろって1.2%ずつ下落した。域内の社会混乱を警戒。香港メディアによると、香港警察は6日、中国が香港に対する統制を強化する「香港国家安全維持法」(国安法)違反の容疑で、民主活動家50人以上を逮捕した。


一方、本土市場は5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.63%高の3550.88ポイントで取引を終了した。金融株が相場を主導する。インフラ建設関連株、食品飲料株、医薬品株、エネルギー株、非鉄株、公益株なども買われた。半面、自動車株は安い。ハイテク株、運輸株、不動産株も売られた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 6日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で6日続伸、ネット株に買い