29日の香港市場は値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比253.86ポイント(0.96%)高の26568.49ポイントと反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が137.69ポイント(1.34%)高の10449.17ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は1388億2000万香港ドルに縮小している(28日は1907億3500万香港ドル)。


海外株高を好感する流れ。昨夜は米株市場でNYダウとナスダック指数、S&P500指数がそろって史上最高値を更新し、欧州株市場では独DAX指数が最高値を切り上げた。トランプ米大統領は27日、一度は拒否していた新型コロナウイルス禍に対処する9000億米ドル規模の追加経済対策法案と2021年度(20年10月〜21年9月)歳出法案に一転して署名。政府機関の閉鎖が避けられたうえ、景気の下支えも意識された。また、香港の11月輸出が5.6%増となり、予想を上回る伸びを示したことも投資家心理を上向かせる一因となっている。(亜州リサーチ編集部)


ネット企業に対する規制強化を嫌気し、前日に急落した「ニューエコノミー」関連の「ATMX」銘柄に買いが先行。阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が5.7%高、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.2%高、美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.2%高、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が5.3%高で引けた。小米集団は上場来高値を更新している。ITやハイテクで構成されるハンセン科技指数は2.6%高と3日ぶりに急反発し、他の指数をアウトパフォームした。


セクター別では、中国の銀行と証券が高い。中国工商銀行(1398/HK)が2.9%、中国建設銀行(939/HK)が1.6%、華泰証券(6886/HK)が2.7%、中信証券(6030/HK)が1.8%ずつ上昇した。


食品飲料や家電の消費セクターも物色される。中国食品(チャイナ・フーズ:506/HK)が6.0%高、中国雨潤食品集団(1068/HK)が3.2%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が1.7%高、海信家電集団(ハイセンス・ホーム・アプライアンシズ・グループ:921/HK)が7.9%高、TCL電子HD(TCLエレクトロニクス・ホールディングス:1070/HK)が2.8%高で取引を終えた。


半導体や通信設備・工事の銘柄群もしっかり。華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)と上海復旦微電子集団(1385/HK)がそろって2.3%高、長飛光繊光纜(6869/HK)が9.1%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が7.8%高、京信通信系統HD(2342/HK)が5.3%高と値を上げた。需要拡大が期待される。産業支援策の期待が強まる。中国工業情報化部の肖亜慶・部長は28日、第5世代(5G)移動通信ネットワークの拡大に注力し、年間で基地局60万カ所以上の新設を目指す考えを示した。


半面、非鉄セクターはさえない。江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が9.0%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.4%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が2.9%安、江西銅業(358/HK)が1.6%安とそろって反落した。この日の上海商品取引所では、アルミや銅などの先物が安く推移している。江西カン鋒リ業は28日まで、連日で最高値を更新していた。


一方、本土市場は3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.54%安の3379.04ポイントで取引を終了した。自動車株が安い。非鉄株、産金株、発電株、医薬品株、自動車株、食品飲料株、防衛関連株なども売られた。半面、ハイテク株の一角は高い。金融株、不動産株、運輸株、メディア関連株も買われた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の香港市場概況:ハンセン1.0%高で反発、「ATMX」銘柄に買戻し