23日の中国本土市場は値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比25.54ポイント(0.76%)高の3382.32ポイントと反発した(上海A株指数は0.76%高の3545.30ポイント)。


経済支援策を期待した買いが先行する流れ。来年から始まる中国の第14次5カ年計画(2021〜25年)を見据え、政策の恩恵を受けやすい銘柄群が物色された。新5カ年計画では、科学技術力の強化や内需の拡大が主要なテーマに挙げられている。また、商務部の高峰・報道官は今月10日、消費の回復を促すため、年末から年始にかけて一連の消費促進活動を展開すると述べた。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、自動車の上げが目立つ。長城汽車(601633/SH)がストップ高、上海汽車集団(600104/SH)が4.8%高で引けた。長城汽車は上場来高値を更新している。


ハイテク株も急伸。パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)がストップ高、半導体組立・検査で中国トップの江蘇長電科技(600584/SH)が7.3%高、太陽光発電素材メーカーの隆基緑能科技(601012/SH)が4.9%高で取引を終えた(杭州士蘭微電子と隆基緑能科技は最高値更新)。太陽光などエコ発電に絡んでは、習近平・国家主席が先ごろ、60年までにCO2の排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するとの目標を掲揚。中国政府は来年、風力・太陽光発電容量の拡大を加速させる方針だ。このほか、家電や小売などの消費関連株、海運株、エネルギー株、非鉄株、インフラ関連株、防衛関連株なども買われている。朝方に弱含んだ銀行株も総じてしっかり。


半面、医薬品株は安い。華北製薬(600812/SH)と広州白雲山医薬集団(600332/SH)がそろって2.1%、健康元薬業集団(600380/SH)が1.2%ずつ下落した。産金株、建材株、不動産株の一角も売られている。


一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が0.45ポイント(0.19%)高の238.88ポイント、深センB株指数が4.96ポイント(0.46%)安の1072.26ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 23日の中国本土市場概況:上海総合0.8%高で反発、自動車とハイテクに買い