17日の香港市場は小幅に値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比218.09ポイント(0.82%)高の26678.38ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が83.83ポイント(0.80%)高の10545.73ポイントとそろって続伸した。売買代金は1289億6200万香港ドルとなっている(16日は1290億3900万香港ドル)。


米金融緩和の長期化観測が好感される流れ。米連邦準備理事会(FRB)は16日まで開かれていた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、雇用とインフレの目標に向けた進展が顕著になるまで、大規模緩和を続けると表明した。商品や株のマーケットに資金流入が続くと期待されている。


他方、中国の政策に対する期待と不安は交錯する状況。中国共産党・政府は今週にも、翌年の経済政策の基本方針を決める「中央経済工作会議」を開く見通しだ。中国メディアによれば、末端消費者の購買力引き上げなどが重要テーマとなる。ただ、金融リスク防止の強化や、金融政策、財政政策の「正常化」についても課題となる見込みで、銀行や不動産など関連銘柄にとってネガティブ材料となる恐れもある。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品が高い。中国生物製薬(1177/HK)が7.8%、薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が6.5%、石薬集団(1093/HK)が4.1%ずつ上昇した。バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術は上場来高値を更新している。保険適用の医薬品について、当局と製薬会社の交渉が終了したことで、不透明感が払しょくされたとの見方が広がった。


ハイテクやITの「ニューエコノミー」関連もしっかり。ハンセン科技指数は2.3%高と続伸した。組み入れウエート上位の「ATMX」銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.8%高、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.0%高、美団(メイトゥアン:3690/HK)が2.1%高で取引を終えている。


非鉄やセメント、鉄鋼の素材セクターも急伸。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が8.6%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が7.1%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が6.8%高、江西銅業(358/HK)が6.3%高、中国建材(3323/HK)が3.1%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が2.0%高、鞍鋼(347/HK)が3.3%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.3%高と値を上げた。


海上輸送やコンテナリース・生産など海運関連セクターも物色される。東方海外(オリエント・オーバーシーズ:316/HK)が7.8%高、太平洋航運集団(2343/HK)が7.3%高、中遠海運HD(1919/HK)が5.1%高、中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が3.0%高、中遠海運発展(2866/HK)が1.7%高で引けた。東方海外は最高値を切り上げている。


半面、中国の銀行・不動産セクターは総じてさえない。招商銀行(3968/HK)が1.6%安、中国工商銀行(1398/HK)が0.6%安、世茂集団HD(813/HK)が1.6%安、碧桂園HD(2007/HK)が1.2%安と下落した。


一方、本土市場は3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.13%高の3404.87ポイントで取引を終えた。資源・素材株が高い。エネルギー株、医薬品、金融株、海運株、公益株、食品飲料株、不動産株、ハイテク株の一角なども買われた。半面、自動車株の一角は安い。防衛関連株、メディア関連株、インフラ関連株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 17日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で続伸、医薬品セクターに買い