17日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比33.42ポイント(0.13%)高の26415.09ポイントと小幅に続伸する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は28.74ポイント(0.27%)安の10550.20ポイントと反落した。売買代金は1435億7000万香港ドルとなっている(16日は1453億200万香港ドル)。


海外株高が好感される流れ。昨夜の米株市場では、NYダウが1.6%高と続伸し、約9カ月ぶりに最高値を更新した。欧州市場でも主要株価指数が軒並み上昇している。新型コロナウイルスワクチン開発の好材料が相次ぐなか、経済活動の正常化が早まるとの見方が強まった。ただ、米中対立の懸念がくすぶり上値は限定的。「トランプ米大統領が中国に対する追加の制裁措置を計画しているもよう」などと報じられたことが引き続き重しとなっている。また、ハンセン指数は前日、約8カ月ぶりの高値水準を回復しただけに、売り圧力も意識された。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、香港財閥系コングロマリットの長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス:1/HK)が5.2%高、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.6%高、不動産事業を中核とする多国籍コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)が3.9%高と上げが目立った。


セクター別では、石油生産や掘削などエネルギー関連が高い。上記した中国石油天然気のほか、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.1%、中海油田服務(2883/HK)が8.5%ずつ上昇した。昨夜のWTI原油先物は急反発。世界的な経済活動の正常化で原油需要が増えるとみられている。


空運キャリアや空港、海運・港湾など交通・運輸セクターもしっかり。国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が7.0%高、中国国際航空(753/HK)が4.1%高、中国南方航空(1055/HK)が3.4%高、中国東方航空(670/HK)が2.0%高、北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が4.2%高、海南美蘭国際空港(357/HK)が2.7%高、中遠海運HD(1919/HK)が7.4%高、太平洋航運集団(2343/HK)が3.2%高、天津港発展HD(3382/HK)が8.6%高、廈門国際港務(アモイ国際港務:3378/HK)が5.3%高で引けた。


半面、ハイテクやIT銘柄で構成されるハンセン科技指数は1.8%安と4日ぶりに反落。組み入れウエート上位の「ATMX」銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が1.7%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.6%安、美団(メイトゥアン:3690/HK)が4.8%安、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が4.4%安で取引を終えている。


半導体や通信設備・工事などの銘柄群もさえない。華虹半導体(1347/HK)が2.1%安、中国通信服務(552/HK)が2.3%安、京信通信系統HD(2342/HK)が1.5%安、中興通訊(ZTE:763/HK)が1.2%安で引けた。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.21%安の3339.90ポイントで取引を終えた。ハイテク株と医薬品株が安い。非鉄株、証券株、食品飲料株、防衛関連株なども売られた。半面、運輸株は高い。自動車株、不動産株、エネルギー株、銀行・保険株も買われた。

亜州リサーチ(株)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 17日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で続伸、科技指数は1.8%下落