20日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比27.28ポイント(0.11%)高の24569.54ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が10.17ポイント(0.10%)高の9988.33ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は993億1900万香港ドルに縮小している(19日は1228億2800万香港ドル)。

中国の政策期待が相場を支える流れ。来週26日には、重要会議の第19期中央委員会・第5回全体会議(5中全会)がスタートする。報道によれば、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大と米中摩擦の激化など外部リスクの高まりを受け、海外の需要や技術への依存度を減らし、「内部循環」による経済成長を促すことがテーマだ。ただ、外部環境の不透明感で上値は重い。欧米で新型コロナウイルス感染が再拡大するなか、経済活動の停滞が中国輸出の縮小につながると懸念されている。ハンセン指数は前日の終値を挟み、一進一退した。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が4.4%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.1%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.2%高と上げが目立った。このほか、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が0.7%高の299.40香港ドルに上昇し、上場来高値を更新している(株価は一時300香港ドルを超過)。傘下のマ蟻科技集団(アント・グループ)が進める新規株式公開(IPO)計画について、上場日は11月6日となる見通し——と複数メディアが20日、市場筋情報として報じた。

セクター別では、自動車が高い。上記した吉利汽車のほか、比亜迪(BYD:1211/HK)が9.0%、長城汽車(2333/HK)が6.2%、広州汽車集団(2238/HK)が2.4%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が1.3%ずつ上昇した。

家電やスポーツ用品など消費セクターも物色される。TCL電子HD(TCLエレクトロニクス・ホールディングス:1070/HK)が9.0%高、創維集団(スカイワース・グループ:751/HK)が1.9%高、李寧(リーニン:2331/HK)が6.5%高、安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が4.5%高と値を上げた。

決算動向を手がかりにした物色もみられる。ゼネコン大手の中国建築国際集団(3311/HK)が5.0%高。同社が発表した1~9月期の業績は、営業利益が13%増加した。産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が2.7%高。1~9月期の純利益は52.1%拡大した。
半面、足もとで買いが続いていた中国の銀行セクターはさえない。中国民生銀行(1988/HK)が3.2%安、中国農業銀行(1288/HK)が2.2%安、中国銀行(3988/HK)が1.6%安、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が1.3%安とそろって反落した。

本土系不動産セクターも売られる。中国恒大集団(3333/HK)が2.4%安、中国金茂HD(817/HK)が1.4%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.3%安、融創中国HD(1918/HK)が0.7%安で引けた。

他の個別株動向では、発電大手の華能国際電力(902/HK)が4.9%安。今年第3四半期(7~9月)の国内売電量が前年同期比0.8%増にとどまり、増加率が前四半期の5.4%から鈍化したことが売り材料視された。

一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.47%高の3328.10ポイントで取引を終えた。消費関連株が高い。自動車株、医薬品株、ハイテク株、公益株、インフラ関連株の一角なども買われた。半面、金融株は安い。素材株、エネルギー株、不動産株、運輸株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 20日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で3日続伸、アリババ最高値更新