27日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比210.64ポイント(0.83%)安の25281.15ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が98.42ポイント(0.96%)安の10201.94ポイントとそろって反落した。売買代金は1506億100万香港ドルにやや拡大している(26日は1332億500万香港ドル)。

米中関係に新たな火種が浮上した点が嫌気されている。米商務省は26日、係争中の南シナ海で拠点建設に関わったとして、中国交通建設(1800/HK、601800/SH)など中国企業24社を禁輸措置対象リスト(エンティティ・リスト、EL)に追加した。一方、同海域で軍事演習を実施している人民解放軍は同日、中距離弾道ミサイルを4発発射している。対立激化の警戒感が再燃した。中国の政策や景気回復に対する期待感などで朝方は買われる場面がみられたものの、指数は終盤にかけて下げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリアの中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が6.2%安、同業の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が5.1%安、石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.5%安、香港不動産デベロッパー大手の信和置業(サイノランド:83/HK)が2.9%安と下げが目立った。

セクター別では、ゼネコンや建機のインフラ建設関連が安い。上述した中国交通建設が3.4%、中国中鉄(390/HK)が3.1%、中国鉄建(1186/HK)が3.0%、中国龍工HD(3339/HK)が9.2%、中聯重科(1157/HK)が1.7%ずつ下落した。

このほか、赤字転落や減益など決算が不振だった銘柄群の一角が急落。電車・自動車部品メーカーの株洲中車時代電気(3898/HK)が13.1%安、エチレンメーカーで中国最大手の中国石化上海石化(サイノペック上海石化:338/HK)が4.0%安、鉄鋼大手の馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.7%安と値を下げた。

半面、好業績銘柄の一角は物色される。中国スマートフォン大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が11.4%高と大幅続伸した。同社が26日引け後に公表した決算では、4~6月期の利益が倍増している。そのほか、中間利益が5倍になったインターネット保険中国最大手の衆安在線財産保険(6060/HK)が22.9%高、900倍超の増益を達成したITサービス会社の神州数碼HD(デジタル・チャイナ:861/HK)が5.5%高と値を上げた。

ITハイテク関連に買いが集中するなか、ハンセン科技指数は3.6%高と大幅続伸。構成銘柄では、上記した小米集団や衆安在線財産保険のほか、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が9.0%高、網龍網絡(ネットドラゴン・ウェブソフト:777/HK)が6.9%高、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が4.7%高などと上げが目立った。美団点評は上場来高値を更新している。インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)も1.2%上昇した。

一方、本土市場は3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.61%高の3350.11ポイントで取引を終えた。ITハイテク株が高い。自動車株、消費関連株、証券株、インフラ関連株、防衛関連株、医薬品株の一角なども買われた。半面、不動産株は安い。空運株、銀行・保険株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で反落、ハンセン科技指数は3.6%高で続伸