7日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比398.96ポイント(1.60%)安の24531.62ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が138.98ポイント(1.36%)安の10063.43ポイントとそろって続落した。売買代金は1778億2800万香港ドルに拡大している(6日は1358億8000万香港ドル)。(亜州リサーチ編集部)


米中対立の警戒感が強まる流れ。トランプ米大統領は6日(日本時間7日午前)、ショート動画投稿アプリ「TikTok」運営の中国IT大手・北京字節跳動科技(バイトダンス)との取引を禁止する大統領令に署名した。大統領令には、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)のメッセンジャーアプリ「微信(ウィーチャット)」に絡む取引禁止も含まれ、45日後に発効する。また、それより先トランプ政権は、「米上場の中国企業が米国会計基準を順守しなければ、2022年までに上場を廃止する法案を準備している」と報じられた。指数は中盤から下げが加速している。ただ、市場の一部では、「テンセントの米国事業は規模が小さく、影響は限定される」との見方もあり、引けにかけて買戻しもみられた。

なお取引時間中に公表された7月の中国貿易統計は、人民元建て輸出が10.4%増と大幅に上振れる半面(予想は0.9%増)、輸入は1.6%増に下振れた(予想は2.5%増)。

ハイテク分野での圧力が高まるとの見方が広がり、ハンセン科技指数は2.5%安と他の指数をアンダーパフォーム。構成30銘柄のうち27が下落した。組み入れウエート上位の銘柄群では、騰訊HDが5.0%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)と小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)がそろって3.0%安。テンセント株は一時、10%超の下げを記録した。

ハンセン指数の構成銘柄では、上記したテンセントのほか、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(CKアセット・ホールディングス:1113/HK)が7.0%安と下げが目立った。長江実業集団に関しては、中間決算の58%減益も嫌気されている。

セクター別では、港湾・海運が安い。天津港発展HD(3382/HK)が4.8%、廈門国際港務(アモイ国際港務:3378/HK)が3.2%、中遠海運港口(1199/HK)が2.5%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.3%ずつ下落した。

非鉄関連セクターもさえない。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が4.0%安、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が3.8%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.0%安、江西銅業(358/HK)が2.0%安で引けた。

医薬品セクターも売られる。三生製薬(1530/HK)が5.0%安、上海復星医薬集団(2196/HK)が4.4%安、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が4.2%安、石薬集団(1093/HK)と中国神威薬業集団(2877/HK)がそろって2.6%安、中国生物製薬(1177/HK)が2.1%安と値を下げた。

一方、本土市場は6日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.96%安の3354.04ポイントで取引を終えた。ハイテク株が安い。保険・証券株、医薬品株、資源・素材株、不動産株なども売られた。半面、防衛関連株は高い。消費関連株や運輸株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 7日の香港市場概況:ハンセン1.6%安で続落、テンセント5.0%下落