9日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比80.98ポイント(0.31%)高の26210.16ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が33.78ポイント(0.31%)高の10781.89ポイントとそろって続伸した。売買代金は2068億3100万香港ドルとなっている(8日は1961億9400万香港ドル)。

米株高を好感した買いが先行する流れ。昨夜の米株市場では、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が急反発し、2日ぶりに最高値を更新した。香港相場の先高観も強まる状況。モルガン・スタンレー(MS)は8日付の最新リポートで、ハンセン指数の12カ月目標値を23300→28000ポイントに20%上方修正した。MSによる目標値引き上げは、過去1カ月で2回目となる。ただ、指数はマイナス圏で推移する場面もみられた。新型コロナウイルス感染の再拡大が警戒されている。取引時間中には、「香港で9日、少なくとも新規感染47人が確認された」と報じられた。中国本土とは逆に、香港ではこのところ新規感染が増加傾向にある。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産開発香港大手の恒隆地産(101/HK)が4.6%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.7%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)と光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)がそろって3.5%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が2.4%高と上げが目立った。テンセントと香港交易所は前日に付けた上場来高値を塗り替えている。

セクター別では、Eコマースやリモートワーク、オンラインゲームなどネット関連が高い。上記したテンセントのほか、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が10.0%、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が7.4%、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が5.0%、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が7.2%、網易(ネットイース:9999/HK)が10.0%ずつ上昇した。そろって最高値を連日で切り上げている。これら銘柄群は新型コロナウイルス感染拡大のなかにあっても、「在宅消費」の拡大などによって業績が安定していると分析された。

非鉄関連も物色される。新疆新キン鉱業(3833/HK)が9.4%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)と江西銅業(358/HK)がそろって7.0%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.5%高で引けた。

半面、中国の銀行・証券はさえない。中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が2.1%安、中国民生銀行(1988/HK)が1.9%安、招商銀行(3968/HK)が1.6%安、中信証券(6030/HK)が2.7%安、海通証券(6837/HK)が2.4%安、中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が1.6%と値を下げた。

一方、本土市場は8日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.39%高の3450.59ポイントで取引を終えた。ハイテク株が高い。医薬品株、不動産株、保険株、海運株、防衛関連株、非鉄株、産金株、消費関連株なども買われた。半面、銀行株は安い。証券株や空運株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 9日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で続伸、テンセントと香港交易所は最高値更新