8日の中国本土市場は値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比58.10ポイント(1.74%)高の3403.44ポイントと7日続伸している(上海A株指数は1.74%高の3567.46ポイント)。約2年5カ月ぶりの高値水準を切り上げた。

相場の先行きに楽観ムードが広がる流れ。中国政府系メディアが株高を支持する論陣を張ったことや、証券口座の開設数が急増していることなどが引き続き材料視されている。新型コロナウイルス感染再拡大の警戒感もやや後退。北京市衛生健康委員会は8日、新型コロナウイルスの新規感染者が7日までに2日連続でゼロに抑えられたと報告した。卸売市場「新発地市場」を発端とする集団感染が発生した6月11日以降、北京市では6日に新規感染者が初めてゼロとなっている。

保険株と証券株が急伸。中国人寿保険(601628/SH)がストップ高、中国人民保険集団(601319/SH)が5.0%高、中信証券(600030/SH)が7.6%高、中信建投証券(601066/SH)が7.3%高で引けた。株高のメリットと商い拡大がクローズアップされている。中信建投証券は上場来高値を更新した。

ハイテク株も上げが目立つ。パワーエレクトロニクス用半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(StarPower Semiconductor:603290/SH)がストップ高、電子機器メーカーの国睿科技(600562/SH)が9.1%高、半導体組立・検査で中国トップの江蘇長電科技(600584/SH)が8.6%高で取引を終えた。嘉興斯達半導体と江蘇長電科技はそれぞれ最高値を更新している。ハイテク分野での米中摩擦が激化しつつあるなか、当局による産業支援策の強化が意識された。

政権が掲げる「中国製造2025」政策では、半導体分野の自給率目標について、2020年が40%、25年が70%に設定されている。米調査会社によれば、19年実績は15.7%にとどまる状況だ。このほか運輸株、資源・素材株、不動産株、自動車株、インフラ関連株、防衛関連株、消費関連株なども買われている。

外貨建てB株相場も値上がり。上海B株指数が2.11ポイント(0.88%)高の240.96ポイント、深センB株指数が1.50ポイント(0.16%)高の927.72ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の中国本土市場概況:上海総合1.7%高で7日続伸、保険・証券セクターに買い