17日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比137.32ポイント(0.56%)高の24481.41ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が42.00ポイント(0.43%)高の9909.63ポイントとそろって続伸した。売買代金は1042億4200万香港ドルとなっている(16日は1146億2600万香港ドル)。

世界的な金融緩和の動きが好感される流れ。米国や日本など各国が大規模な金融緩和策を打ち出すなか、中国では6月末~7月初にかけて、預金準備率などが再び引き下げられる——との観測が浮上した。また、新型コロナウイルス感染拡大への警戒感などで今年3月に急落した香港株について、証券ブローカーの多くがその先行きに楽観的な見方に転じていることも買い安心感につながっている。新型コロナ感染の再拡大が懸念され売られたものの、下値は堅く、ハンセン指数は一進一退しながら、引けにかけて上げ幅を広げた。

ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.7%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.5%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が2.4%高と上げが目立った。

セクター別では、医薬品関連が高い。上記した中国生物製薬のほか、康哲薬業HD(867/HK)が10.1%、緑葉製薬集団(2186/HK)が8.3%、四環医薬HD集団(460/HK)が7.2%、翰森製薬集団(3692/HK)が3.6%ずつ上昇した。中国の医薬品グループ、国薬集団(シノファーム)は17日、傘下企業が開発した新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で、ワクチンを接種した全員に抗体の生成が確認されたと発表。国薬集団傘下の国薬HD(サイノファーム・グループ:1099/HK)が9.2%高と急伸し、セクター全体をけん引した。

中国不動産セクターもしっかり。龍湖地産(960/HK)が3.0%高、中国金茂(817/HK)が2.3%高、合景泰富集団HD(1813/HK)が2.1%高、華潤置地(1109/HK)が1.9%高、碧桂園HD(2007/HK)が1.2%高と値を上げた。

香港の外食関連も物色される。外食チェーン大手の大家楽集団(カフェ・ド・コーラル・ホールディングス:341/HK)が6.7%高、同業の大快活集団(フェアウッド・ホールディングス:52/HK)が3.0%高、「しゃぶしゃぶ温野菜」をフランチャイズ展開する敘福楼集(LHグループ:1978/HK)が5.0%高で引けた。香港政府は16日、1テーブル当たり「最大8人」としていた外食業界を対象とする規制を撤廃すると発表。客足の戻りが期待された。

半面、スマートフォン関連はさえない。小米集団(1810/HK)が3.1%安、丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が1.9%安、富智康集団(FIHモバイル:2038/HK)が1.2%安、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が0.9%安と下落した。

一方、本土市場は小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.14%高の2935.87ポイントで取引を終えた。医薬品株が高い。消費関連株。メディア関連株、防衛関連株、ハイテク株の一角なども買われた。半面、不動産株は安い。金融株、自動車株、資源・素材株、運輸株も売られた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 17日の香港市場概況:ハンセン0.6%高で続伸、医薬品セクターに買い