週明け15日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比524.43ポイント(2.16%)安の23776.95ポイントと4日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が176.70ポイント(1.80%)安の9655.83ポイントと3日続落した。売買代金は1280億2100万香港ドルとなっている(12日は1154億3800万香港ドル)。

新型コロナウイルス感染拡大「第2波」を警戒する流れ。北京市政府は14日の記者会見で、新たに44人の新型コロナ感染を確認したと報告し、「非常時に入った」と宣言した。発生源の市場は閉鎖され、近隣の学校は休校、娯楽施設の休業、外出制限などが実施されている。北京市では2カ月近く新規感染が確認されていなかった。米国でも感染再流行が意識される状況。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は12日、一部の州で再び感染が拡大していることに関し、強力な措置を講じなければ制御不能になると危ぐした。

中国経済の回復伸び悩みも懸念。取引時間中に公表された今年5月の経済統計では、小売売上高や鉱工業生産が前月からやや改善したものの、予想ほどではなかった。グローベックスのNYダウ先物が下げ幅を拡大し、取引時間中に始まった欧州株市場の大幅安をにらみながら、香港の各指数は引けにかけて一段安となっている。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち48が下落)。電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が4.9%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が4.8%安、同業の金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が4.3%安、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.2%安と値下がり率上位に並んだ。

セクター別では、空運関連が安い。中国3大エアラインの中国南方航空(1055/HK)が4.8%、中国国際航空(753/HK)が3.9%、中国東方航空(670/HK)が3.1%、空港運営・管理の北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が4.1%、同じく空港運営の海南美蘭国際空港(旧・瑞港国際機場集団:357/HK)が3.7%、航空情報システム大手の中国民航信息網絡(トラベルスカイ・テクノロジー:696/HK)が5.7%ずつ下落する。旅行予約サイト運営の同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)も8.7%安と急落した。

上記したカジノのほかにも、映画館・チケット販売などレジャー関連銘柄が売られる。阿里巴巴影業(アリババ・ピクチャーズ:1060/HK)が6.6%安、アイマックス・チャイナHD(1970/HK)が3.4%安、猫眼娯楽(マオイェン・エンターテインメント:1896/HK)が11.9%安と値を下げた。

半面、医薬品セクターの一角は物色される。バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が6.6%高と急反発した。同社は現在、中国軍事科学院・軍事医学研究院生物工程研究所と共同開発した新型コロナウイルスワクチン「Ad5-nCoV」の治験を進めている。中国医療集団(チャイナ・ヘルス・グループ:8225/HK)も2.6%高と上昇。新型コロナウイルス感染症の治療薬では、同社も製造するHIV治療薬「リトナビル」が有効と確認されている。

一方、本土市場は4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.02%安の2890.03ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導。エネルギー株、自動車株、空運株、発電株、食品飲料株の一角なども売られた。半面、医薬品株は高い。テレワーク関連株や消費関連株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 15日の香港市場概況:ハンセン2.2%高で4日続落、コロナ感染再拡大を不安視