27日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比83.30ポイント(0.36%)安の23301.36ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が27.77ポイント(0.29%)安の9567.43ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1108億8200万香港ドルとなっている(26日は1074億6500万香港ドル)。

香港の社会混乱が警戒される。中国国歌侮辱などを禁じる「国歌法」の第二回審議が香港で27日に始まるなか、民主派団体などは抗議行動を活発化した。早朝から各地で警官隊との小競り合いが生じている。あす28日には北京で開催中の全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)で香港統制を強化する「香港版国家安全法」が採決される見通し。抗議行動がエスカレートする不安が強まった。

米中関係の悪化懸念もくすぶる。トランプ米大統領は26日の記者会見で、中国政府が「香港版国家安全法」を施行した場合、週内にも中国に強力な制裁を科す可能性を示唆した。世界的に経済活動の再開が進んでいることなどを手がかりに朝方は買われたものの、指数は程なくマイナスに転じている。

ハンセン指数の構成銘柄では、インフラ投資会社の長江基建集団(長江インフラ:1038/HK)が3.3%安、香港発電大手の電能実業(6/HK)が3.2%安、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.1%安と下げが目立った。

セクター別では、香港の公益や消費、金融がさえない。上記した電能実業のほか、香港中華煤気(ホンコン・チャイナガス:3/HK)が2.3%安、周大福珠宝(1929/HK)が2.2%安、利福国際集団(1212/HK)が2.1%安、莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が1.6%安、中銀香港(2388/HK)が2.0%安、東亜銀行(23/HK)が1.7%安、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が1.1%安で引けた。

中国自動車セクターも安い。広州汽車集団(2238/HK)が3.3%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.2%、比亜迪(BYD:1211/HK)と北京汽車(1958/HK)がそろって1.9%ずつ下落した。

半面、素材関連の銘型群は物色される。希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が5.1%高、ニッケル大手の新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.6%高、エネルギー・資源会社の中信資源HD(CITICリソーシズ・ホールディングス:1205/HK)が3.2%高、リチウム製品製造の江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が1.6%高、ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が1.1%高と値を上げた。

他の個別株動向では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が後場に入り急伸で6.7%高。同社は昼頃、1~3月期の22%増益とあわせ、上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」に上場する計画を発表した。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.34%安の2836.80ポイントで取引を終えた。ハイテク株が安い。医薬品株、食品飲料株、石油株、海運株なども売られた。半面、空運株は高い。鉄鋼株、不動産株、消費関連株や銀行・保険株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で3日ぶり反落、香港銘柄に売り