19日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比453.36ポイント(1.89%)高の24388.13ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が156.94ポイント(1.61%)高の9883.37ポイントとそろって続伸した。売買代金は1259億6300万香港ドルに拡大している(18日は1094億2900万香港ドル)。

新型コロナウイルス感染を巡る警戒感が後退するなか、昨夜の米株が大幅続伸した流れを継ぐ。米バイオ製薬ベンチャーのモデルナは18日、開発中の新型コロナワクチンについて、初期臨床試験で有望な効果を確認したと発表した。ワクチンの早期完成を通じ、経済活動の正常化も早まる——と期待されている。

市場活性化の思惑も高まる状況。議決権の異なる「種類株」を発行する銘柄や香港にセカンダリー上場する銘柄について、ハンセン・インデックシズ(HSI)は18日引け後、ハンセン指数、中国本土株指数(旧H株指数)の組み入れ対象に追加すると発表した。この組み入れ基準変更を受けて早ければ8月にも、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)などが主要指数の構成銘柄に採用される可能性がある。アリババ株は3.4%高で取引を終えた。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港不動産系コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)と中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)がそろって4.6%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)と取引所を運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)がそろって4.1%高と上げが目立った。

セクター別では、石油生産・化工や掘削、石炭、天然ガスなどエネルギー関連が高い。中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.0%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.6%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が2.7%、中海油田服務(2883/HK)が4.5%、中国神華能源(1088/HK)が3.9%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が2.3%ずつ上昇した。原油高が追い風。昨夜のWTI原油先物は8.1%高と大幅続伸し、一時2カ月ぶりの高値水準を回復した。

空運関連セクターもしっかり。中国3大エアラインの中国南方航空(1055/HK)が5.7%高、中国東方航空(670/HK)が4.4%高、中国国際航空(753/HK)が4.1%高、空港運営・管理の北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が6.8%高、航空情報システム大手の中国民航信息網絡(トラベルスカイ・テクノロジー:696/HK)が4.9%高と値を上げた。

中国自動車セクターも物色される。比亜迪(BYD:1211/HK)が4.5%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.6%高、広州汽車集団(2238/HK)と北京汽車(1958/HK)がそろって2.3%高、吉利汽車HD(175/HK)が2.2%高で引けた。

他の個別株動向では、バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が5.9%高と続伸し、連日で上場来高値を更新した。コロナワクチンを巡っては、各国が開発競争でしのぎを削る状況。中国では複数のメーカー・研究所が携わり、うち同社が開発中のワクチンはすでに第2期臨床試験を始動している。また、同社は18日、「カナダの衛生当局によって15日付でワクチン臨床試験が許可された」と公告した。

本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.81%高の2898.58ポイントで取引を終えた。資源・素材株が高い。ハイテク株、運輸株、消費関連株、金融株、インフラ関連株、医薬品株なども買われた。

亜州リサーチ(株)



<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 19日の香港市場概況:ハンセンは1.9%高で続伸、エネルギー関連に買い