週明け6日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比513.01ポイント(2.21%)高の23749.12ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が161.21ポイント(1.70%)高の9652.31ポイントとそろって反発した。ハンセン指数は約3週ぶりの高値水準を回復する。売買代金は868億1400万香港ドルとやや拡大した(3日は799億7300万香港ドル)。

内外の好材料で投資家心理が上向く。ニューヨーク州知事は5日、「(新型コロナウイルス感染による)1日当たりの死者数が初めて前日比で減少した」と述べている。また、トランプ米大統領とペンス副大統領は同日、「米国の新型コロナ感染拡大は安定化の兆しがある」と発言した。これを受けて、グローベックスのNYダウ先物は急反発で推移している。内部で敵には、香港・中国の金融緩和スタンスがプラス。香港の中央銀行に相当する香港金融管理局(HKMA)は3日、銀行の預金準備を半分に引き下げると発表した。また、中国人民銀行(中央銀行)も同日、中小銀行に対する預金準備率の引き下げを通知している(4月15日と5月15日に0.5ポイントずつ低下)。NYダウ先物が上げ幅を広げるなか、香港の各指数は中盤から一段高となった。

ハンセン指数の構成銘柄は全面高。香港不動産系コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)が7.4%高、香港財閥系のコングロマリットの長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス:1/HK)が6.3%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)と通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)がそろって6.2%高と値上がり率上位に並んだ。太古や長江和記実業など香港の大型株に関しては、「香港の老舗不動産企業が3月の相場急落局面で、自社株買いに動いたことが判明した」ことも支援材料となっている。

セクター別では、香港拠点の金融や公益が高い。スタンダード・チャータード(2888/HK)が4.3%、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が3.4%、HSBC(5/HK)と中銀香港(2388/HK)がそろって2.8%、香港中華煤気(ホンコン・チャイナガス:3/HK)が4.8%、電能実業(6/HK)が4.2%、中電HD(CLPホールディングス:2/HK)が4.1%ずつ上昇した。

半導体や通信設備・工事、スマートフォンなど広義の5Gネットワーク関連銘柄も物色される。華虹半導体(1347/HK)が9.0%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)とASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)がそろって4.9%高、京信通信系統HD(2342/HK)が11.3%高、中国通信服務(552/HK)が5.0%高、長飛光繊光纜(6869/HK)が3.9%高、丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が6.0%高、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が4.9%高、舜宇光学科技(2382/HK)が3.4%高で引けた。現地メディアは3日、三大通信キャリアが5G投資を加速し、20年は前年比4倍に拡大する見通しと報じている。

一方、本土市場は清明節連休により、本日6日は休場。あす7日から取引再開される。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 6日の香港市場概況:ハンセン2.2%高で反発、内外に好材料