週明け16日の香港市場は大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比969.34ポイント(4.03%)安の23063.57ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が422.55ポイント(4.38%)安の9227.60ポイントとそろって4日続落した。売買代金は1588億500万香港ドルとなっている(13日は2024億3400万香港ドル)。

リスク回避の売りが広がる流れ。新型コロナウイルスの世界流行を背景に、世界的にヒトとモノの移動が制限されている。香港当局は15日、欧州に続き、米国や英国、アイルランド、エジプトからの入境者を19日から強制隔離の対象にすると発表した。中国指標の悪化も不安視。取引時間中に公表された今年1~2月の各種統計では、小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資などが軒並み予想以上に減少した。なかでも小売売上高は前年同期比で20.5%減少し(予想は4.0%減)、統計開始以来初のマイナス成長を記録している。一方、中国人民銀行(中央銀行)が先週、預金準備率を引き下げたことに続き、米連邦準備理事会(FRB)は16日早朝、緊急利下げに踏み切った。ただ、市場ではそれほどポジティブ材料視されていない。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち49が下落)。光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が12.8%安、小型電子部品メーカーの瑞声科技HD(AACテクノロジーズ:2018/HK)が11.6%安、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が9.6%安と値下がり率上位に並んだ。

セクター別では、スマートフォンや5Gネットワーク、インターネットなどハイテク関連が安い。上記した舜宇光学科技、瑞声科技のほか、丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が10.4%、高偉電子(1415/HK)が8.7%、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が7.1%、中興通訊(ZTE:763/HK)が23.2%、京信通信系統HD(2342/HK)が8.8%、中国通信服務(552/HK)が7.2%、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が6.5%、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が6.4%ずつ下落した。通信機器・設備メーカー大手のZTEに関しては、「米司法省が贈賄容疑で捜査を進めているもよう」と報じられたことも嫌気されている。アリババ株は引け値ベースで上場来安値を更新。一時は178.00香港ドルに下落し、公募価格(176.00香港ドル)に接近した。

スポーツ用品や食品飲料などの消費関連セクターも急落。安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が9.9%安、李寧(2331/HK)が9.1%安、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が6.5%安、中国蒙牛乳業(2319/HK)が6.4%安で引けた。

マカオのカジノ銘柄もさえない。銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が8.3%安、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)と永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)がそろって7.2%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が4.5%安、美高梅中国(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が4.1%安と値を下げた。マカオ当局は16日、域内で40日ぶりに新型コロナ感染者を確認したと報告している。カジノの客離れが危ぐされた。

本土市場も大幅に4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比3.40%安の2789.25ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導。消費関連株、ハイテク株、不動産株、自動車株、インフラ関連株、医薬品株、運輸株、インフラ関連株なども売られた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の香港市場概況:ハンセン大幅に4日続落、リスク回避の売り止まらず