3日の香港市場は小動き。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比6.86ポイント安(-0.03%)の26284.82ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が0.01ポイント(0.00%)安の10485.16ポイントとそろって反落した。売買代金は1164億9300万香港ドルとなっている(2日は1254億4400万香港ドル)。

主要各国の金融支援行動に対する期待感がやや後退する流れ。今夜にも開かれる主要7カ国(G7)の財務相・中銀総裁による緊急の電話会議では、会議後の声明文に「協調利下げや財政出動」など具体的な政策対応が盛り込まれない——と一部外電が関係者の話として3日に伝えた。協調行動の思惑が強まるなか買いが先行したものの、指数は引けにかけてマイナスに転じている。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。中国の財政出動強化がプラス。現地メディアが2日報じたところによれば、これまでに雲南、河南、福建など7省が重点プロジェクト投資計画を発表した。その総額は約25兆人民元(約389兆円)に上るという。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港大手行の恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が4.0%安、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が1.3%安、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が1.2%安と下げが目立った。

セクター別では、中国の不動産がさえない。合景泰富集団HD(1813/HK)が1.5%、万科企業(2202/HK)と龍湖集団HD(960/HK)がそろって1.1%、保利置業集団(119/HK)が1.0%ずつ下落した。

半面、中国自動車セクターの一角は高い。北京汽車(1958/HK)が5.0%、広州汽車集団(2238/HK)が2.4%、比亜迪(BYD:1211/HK)と華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.1%ずつ上昇した。充電池・自動車メーカーのBYDに関しては、新エネルギー車補助金を子会社が追加で計13億4226万人民元(約200億円)受領した点が好感されている。このほか、新エネ車製造に不可欠な資源を扱っているニッケル大手の新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.0%高、リチウム製品製造の江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が2.2%高で取引を終えた。

ネット医療関連の銘柄も物色される。オンライン健康相談サービスや医薬品Eコマースなどの阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が8.6%高、医療サービスアプリ「平安好医生」運営の平安健康医療科技(1833/HK)が0.8%高。阿里健康信息技術は上場来高値を更新した。中国の関係部局が「慢性疾患や一般疾患の患者がオンライン再診しても保険対象にする」という方針を明らかにしたことが好感されている。複数の現地メディアが3日報じたところによれば、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、外出がままならない患者向けの措置で、流行収束まで実施する方針だ。

一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.74%高の2992.90ポイントで取引を終えた。ゼネコン発電設備のインフラ関連がしっかり。消費関連株、ハイテク株、医薬品株、発電株、運輸株、自動車株、金融株の一角なども買われた。半面、不動産株の一角はさえない。前日に急伸したセメント株も反落している。

【亜州IR】




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 3日の香港市場概況:ハンセン0.03%安で小反落、中国の財政出動期待で下値は限定的