5日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比136.10ポイント(0.49%)高の27683.40ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が64.16ポイント(0.59%)高の10877.63ポイントとそろって4日続伸した。ハンセン指数は約3カ月ぶりの高値水準を切り上げている。売買代金は921億1700万香港ドルだった(4日は888億1600万香港ドル)。

米中貿易摩擦の緩和期待が強まる流れ。米メディアは5日、「米国が9月1日に導入した15%の対中追加関税について、ホワイトハウスは軽減の是非を検討」と報じている。また、習近平国家主席は5日の中国国際輸入博覧会(上海)開幕式で、輸入と関税引き下げに努力すると表明した。

米中貿易協議を巡っては、通商交渉トップが1日夜に電話会談し、「協議は前進した」とする声明を両国がそれぞれ発表。米当局者は、月内に通商合意「第1段階」の文書署名が実施される可能性があるとの見方を示している。また、中国外交部の報道官は4日の定例会見で、「米中首脳会談の時期と場所について、習国家主席とトランプ米大統領は様々な方法で連絡をとっている」と述べた。

ハンセン指数の構成銘柄では、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が4.0%、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が3.2%、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が2.4%と上げが目立った。

業種別では、エネルギー関連が高い。上記した中国神華能源のほか、石油大手3社の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)と中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)がそろって2.1%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.8%、海洋油田掘削サービス大手の中海油田服務(2883/HK)が1.6%ずつ値を上げた。原油高を好感。昨夜のWTI原油先物は続伸し、約1カ月ぶりの高値を一時回復している。「貿易摩擦激化で原油需要が伸び悩む」との警戒感が薄らいだ。

中国自動車セクターもしっかり。北京汽車(1958/HK)が3.7%高、東風汽車集団(489/HK)が3.2%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.1%高、広州汽車集団(2238/HK)が2.6%高で引けた。

半面、香港経済の先行き不安が続くなか、香港銘柄の一角は逆行安。民主化デモが長期化し、香港では商業施設の不振が鮮明化している。九龍倉置業地産投資(1997/HK)傘下の大型商業施設「海港城(ハーバー・シティ)」では、第3四半期(7~9月)のテナント売上高が前年同期比で35%減少し、過去最低水準に落ち込んだ。九龍倉置業地産投資は0.6%安、長江実業集団(CKアセット・ホールディングス:1113/HK)は1.7%安と下げている。香港の各指数は朝方、マイナス圏で推移する場面もみられた。

一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.54%高の2991.56ポイントで取引を終えた。金融株が上げを主導する。エネルギー株、ハイテク株、食品・飲料株、自動車株、不動産株、素材株なども買われた。

【亜州IR】




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 5日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で4日続伸、中国海外発展4.0%上昇