11日の香港市場は大幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比600.51ポイント(2.34%)高の26308.44ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が234.09ポイント(2.29%)高の10452.58ポイントとそろって続伸した。売買代金は986億2400万香港ドルに拡大している(10日は790億8100万香港ドル)。

米中通商協議の進展が期待される流れ。トランプ米大統領は10日、「中国の劉鶴副首相と11日にホワイトハウスで会談する」と自身のツイッターに投稿した。初日の閣僚級通商協議は「良好な交渉だった」とも評価している。ホワイトハウスの担当者は、大統領と劉鶴副首相の会談は現地時間11日午後(日本時間12日未明)になると発表した。また、劉副首相と面談した全米商工会議所の幹部は10日、通貨協定で合意できる可能性があるとコメント。市場の一部では、来週15日に予定される一部中国製品に対する関税引き上げに関し、一旦保留されるとの観測が流れている。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面高(50のうち48が上昇)。電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が6.3%高、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が4.7%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)と中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)がそろって3.8%高と値上がり率上位に並んだ。中国海洋石油に関しては、中東地域の地政学リスク浮上を背景とする原油高が意識されている。イランのメディアが11日、「サウジアラビア西部のジッダ港近海でイラン国営石油会社(NIOC)のタンカーが爆発・炎上した。テロ攻撃とみられる」などと報道した。タンカー輸送中国最大手の中遠海運能源運輸(1138/HK)は10.0%高と急伸している。

業種別では、中国の金融が高い。中国人民財産保険(2328/HK)が6.1%、中国人民保険集団(1339/HK)が4.2%、中国太平保険HD(966/HK)が4.0%、中信証券(6030/HK)が3.9%、招商銀行(3968/HK)が2.8%ずつ上昇した。

ゼネコンや建材のインフラ関連セクターもしっかり。中国交通建設(1800/HK)と中国中鉄(390/HK)がそろって2.8%高、華潤水泥HD(チャイナ・リソーシズ・セメント:1313/HK)が4.6%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.9%高、中国建材(3323/HK)が3.6%高で引けた。

半面、決算発表し1カ月半ぶりに取引再開した中国興業太陽能技術HD(750/HK)は11.3%安と急落。ビル一体型ソーラー発電装置施工(ソーラーEPC)大手の中間決算では、純損益が赤字に転落した。

一方、本土市場は4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.88%高の2973.66ポイントで取引を終えた。金融株が相場をけん引する。石油関連株が急伸した。運輸株、公益株、不動産株、医薬品株、インフラ関連株、ハイテク株の一角なども買われている。
【亜州IR】




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 11日の香港市場概況:ハンセン2.3%高で続伸、創科実業6.3%上昇