週明け2日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比98.18ポイント(0.38%)安の25626.55ポイントと3日ぶりに反落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は20.16ポイント(0.20%)高の10103.36ポイントと小幅ながら3日続伸した。売買代金は678億2300万香港ドルに縮小している(8月30日は873億4800万香港ドル)。

香港情勢の不透明感が強まる流れ。政府への抗議行動が続く香港で1日、デモ隊が再び空港に押しかけ、警官隊と衝突した。きょう2日には、広範囲に大規模なストや授業ボイコットが呼びかけられている。ゼネストは回避されたものの収束する気配はない。香港政府が8月30日に公表した今年7月の小売売上高は前年同月比11.4%減。「逃亡犯条例」改正案を巡る大規模なデモや、米中の貿易摩擦が消費マインドに影響し、マイナス成長は6カ月連続となった。また、マカオでは8月のカジノ売上高が2カ月連続で減少。一部メディアはカジノ売上高の落ち込みについて、香港を経由してマカオを訪れる本土旅客が減少した可能性を指摘している。

米中通商摩擦の激化も懸念。トランプ米政権は9月1日、予定通り約1100億米ドル相当の中国製品に対する追加関税を発動した。中国側も即座に対抗している。ただ、下値は限定的。上海総合指数の上げ幅拡大をにらみながら、本土株指数はプラス圏で取引を終えた(ハンセン指数はやや下げ幅を縮小)。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港・マカオ関連の下げが目立つ。信和置業(83/HK)が3.4%安、香港鉄路(MTR:66/HK)が3.1%安、中電HD(2/HK)が2.9%安、長江基建集団(長江インフラ:1038/HK)と新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ:16/HK)がそろって2.8%安で引けた。

業種別では、マカオ・カジノが安い。澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が2.8%、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が2.4%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.1%、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.0%ずつ下落した。

半面、中国証券セクターはしっかり。海通証券(6837/HK)が3.3%高、華泰証券(6886/HK)が3.2%高、中国銀河証券(6881/HK)が2.9%高、中信証券(6030/HK)が1.9%高と値を上げた。業績成長を材料視。上場する本土証券36社の上半期業績では、平均の増収率が52%に達している。

他の個別株動向では、石炭大手のエン州煤業(1171/HK)が18.7%高と3日続伸。中間決算の26%増益と配当実施(前年同期はなし)が手がかりとなった。香港メディアによれば、中間配当の実施は同社として上場初という。

このほか、ニッケル大手の新疆新キン鉱業(3833/HK)が21.2%高と急伸。先週末のロンドン金属取引所(LME)でニッケル相場が大幅上昇し、約5年ぶりの高値を付けたことなどが支援材料。廃棄物の流出問題で、パプアニューギニアの中国系ニッケル加工工場の閉鎖可能性が指摘されるなか、需給が引き締まると連想された。また、「インドネシア政府はニッケル鉱の輸出禁止を前倒しする」との観測も流れている。

一方、本土市場は4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.31%高の2924.11ポイントで取引を終えた。インフラ関連株が高い。ハイテク株、保険・証券株、運輸株、資源株、不動産株、消費関連株、自動車株、医薬品株なども上げが目立った。

【亜州IR】




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 2日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で3日ぶり反落、香港・マカオ銘柄に売り