30日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比4.68ポイント(0.16%)安の2886.24ポイントと3日続落した。上海A株指数も下落し、4.89ポイント(0.16%)安の3023.71ポイントで取引を終えている。

人民元安進行の警戒感がくすぶる。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元の対米ドル基準値を4日続けて元安方向に設定した。上海外交為替市場では、人民元相場が再び元安方向で推移している。また、中国ではあす31日、今年8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定。内容を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながった。

米中対立の警戒感が薄らぐなか小高く推移していたものの、指数は中盤からマイナス圏に転じている。米中通商問題を巡っては、中国側が米国との話し合いに前向きな姿勢を示した。トランプ米大統領は29日、「米国と中国は本日、これまでと違うレベルで貿易に関する話し合いを行う予定だ」と語っている(現時点で詳細は不明)。

業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。指紋認証ICなどの深セン市匯頂科技(603160/SH)が8.4安、携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)大手の聞泰科技(WINGTECH:600745/SH)が7.8安、IC設計の上海書爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が2.5安とそろって反落。ここ最近はそれぞれ上昇基調が続き、前日は大幅高を演じていた。

不動産株は続落。金地集団(600383/SH)が2.0%安、保利地産(600048/SH)が1.9%安で引けた。金融当局が複数の銀行に対し、デベロッパー向け融資を3月末水準まで引き下げるよう窓口指導した——と伝わったことが引き続き売り材料視されている。このほか、発電や水道の公益株、素材株、運輸株、自動車株の一角もさえない。

半面、消費関連株の一角はしっかり。白酒(中国の蒸留酒)メーカー大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が2.6%高の1142.00人民元と続伸し、5営業日ぶりに上場来高値を更新した。このほか、医薬品株や金融株の一角も買われている。時価総額上位の銘柄群が物色されるなか、上海市場の代表銘柄で構成される「上海50A株指数」は0.6%上昇した。

一方、外貨建てB株は値下がり。上海B株指数が1.01ポイント(0.38%)安の261.69ポイント、深センB株指数が7.67ポイント(0.81%)安の936.99ポイントで終了した。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 30日の中国本土市場概況:上海総合0.2%安で3日続落、貴州マオタイは最高値更新