31日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比368.75ポイント(1.31%)安の27777.75ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が143.04ポイント(1.32%)安の10675.31ポイントとそろって反落した。売買代金は602億9800万香港ドルとなっている(30日は617億1000万香港ドル)。香港天文台が午後、台風警報のレベルを「シグナル8」に引き上げたことで、本日の取引は短縮。後場途中で終了。香港証券取引所の規定に従い、取引時間中に「シグナル8」が発令されため15分後に全取引を中止した。

米中通商協議の不透明感が重し。閣僚級協議が再開された7月30日、トランプ米大統領は自身のツイッターに中国批判を相次いで投稿した。市場では「協議は難航する」との不安感が強まっている。

朝方公表された今年7月の製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)は49.7。前月実績(49.4)と市場予想(49.6)を上回ったものの、節目の50は3カ月連続で下回った。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.2%安、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.6%安、香港不動産の太古(A)(スワイヤ・パシフィック(A):19/HK)が3.2%安と下げが目立った。

業種別では、中国の不動産がさえない。中国海外発展(688/HK)が2.5%安、中国金茂HD(817/HK)が2.3%安、万科企業(2202/HK)が2.2%安、碧桂園HD(2007/HK)と華潤置地(1109/HK)がそろって1.8%安で引けた。中国共産党が30日に開いた中央政治局会議で、「不動産を短期的な景気刺激の手段にしない」との表現を初めて盛り込んだことが逆風。不動産引き締めの方針の継続が意識された。

中国自動車セクターも安い。北京汽車(1958/HK)が4.0%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.4%、広州汽車集団(2238/HK)が3.1%、東風汽車集団(489/HK)が2.6%、吉利汽車HD(175/HK)が1.9%ずつ値を下げた。

他の個別株動向では、保険大手のAIAグループ(1299/HK)が2.0%安と続落。クレディ・スイスは最新リポートで、業績下振れ圧力に直面する可能性を指摘した。大規模デモが続く香港で、本土からの旅行客にキャンセルが相次いでいる現状を踏まえ、7月の保険販売にマイナス影響を及ぼすと懸念している。

半面、中国の発電セクターは高い。従来型発電の華潤電力HD(836/HK)が2.5%、華能国際電力(902/HK)が1.6%、風力発電の龍源電力集団(916/HK)が2.8%、原子力発電の中国広核電力(CGNパワー:1816/HK)が1.8%高ずつ上昇した。華能国際電力に関しては、中間決算の利益倍増が材料視されている。中国広核電力については、中間決算の増益見通しが手がかりだ。

【亜州IR】




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 31日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で反落、申洲国際4.2%下落