11日の中国本土市場は小幅に値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比2.46ポイント(0.08%)高の2917.76ポイントと4日ぶりに反発した。上海A株指数も上昇し、2.55ポイント(0.08%)高の3056.08ポイントで取引を終えている。

自律反発狙いの買いが先行する流れ。上海総合指数は10日まで3日続落し、足元で約3週ぶりの安値水準を切り下げていた。金融緩和の思惑も広がる。6月物価統計の結果を受けてデフレ懸念が強まるなか、市場関係者の一部からは「中国人民銀行(中央銀行)による政策金利引き下げの可能性が高まった」との声が聞かれた。また、米国が近く追加利下げに踏み切ることがほぼ確実視されている点も踏まえ、「中国の利下げ余地が拡大する」との見方も浮上している。

ただ、上値は限定的。ハイテク・スタートアップ企業向け株式市場「科創板」の取引開始を22日に控え、需給悪化の警戒感が続いている。同市場では25社が一斉に新規株式公開(IPO)し、調達額は計310億8900万人民元(約4890億円)に上る見込み。2018年A株IPO調達総額の23%に相当する規模となる。指数はマイナス圏に沈む場面もみられた。

保険・銀行株が上げを主導する。中国人寿保険(601628/SH)が3.3%高、中国太平洋保険(601601/SH)が2.4%高、招商銀行(600036/SH)が2.2%高で引けた。発電株、海運株もしっかり。原油や金、非鉄の市況高を材料に、関連銘柄も物色された。

半面、ハイテク株はさえない。パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が2.7%安、ファブレス半導体メーカーの上海貝嶺(600171/SH)が2.1%安、電子部品メーカーの環旭電子(601231/SH)が1.6%安と値を下げている。自動車株、不動産株、医薬品株も売られた。

一方、外貨建てB株はまちまち。上海B株指数が0.97ポイント(0.34%)高の287.45ポイント、深センB株指数が1.56ポイント(0.16%)安の976.00ポイントで終了した。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 11日の中国本土市場概況:上海総合0.1%高で4日ぶり反発、保険・銀行セクターに買い