週明け17日の中国本土マーケットは値上がり。主要指標の上海総合指数は、前営業日比5.65ポイント(0.20%)高の2887.62ポイントと反発した。上海A株指数も上昇し、5.94ポイント(0.20%)高の3024.41ポイントで取引を終えている。

国内景気の先行き不安がくすぶるなかで、景気テコ入れ策に対する期待感が強まる流れ。14日公表された今年5月の中国経済統計では、小売売上高が上振れたものの、鉱工業生産が下振れた。鉱工業生産は約17年ぶりの低い伸びに落ち込んでいる。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は先ごろ、「金融政策には大きな調整余地がある」と発言。緩和的な金融政策を打ち出すとの観測が改めて浮上した。ただ、上値は限定的。米中貿易問題の不透明感が継続し、指数はマイナス圏で推移する場面もみられた。

業種別では、医薬品が高い。浙江医薬(600216/SH)が4.6%、上海復星医薬集団(600196/SH)が3.9%、薬明康徳(603259/SH)が3.4%ずつ上昇した。上海復星医薬集団に関しては、子会社が開発中の乳がん治療薬について、米食品医薬品局(FDA)から迅速医薬品開発プログラムの認可を受けたことも刺激材料となっている。このほか金融株、資源・素材株、空運株、消費関連株の一角も買われた。

半面、ハイテク株はさえない。携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)大手の聞泰科技(WINGTECH:600745/SH)が3.7%安、フラッシュメモリ製造などの北京兆易創新科技(603986/SH)が2.4%安で引けた。不動産株、軍需関連株も売られている。

外貨建てB株は値下がり。上海B株指数が0.30ポイント(0.10%)安の287.87ポイント、深センB株指数が1.12ポイント(0.12%)安の923.38ポイントで終了した。

【亜州IR】




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 17日の中国本土市場概況:上海総合0.2%高で反発、医薬品セクターに買い